The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「んー…」
…自分で作ったカレーを食卓に並べ。
フューニャと一緒に、いざ食べてみたのだが。
…何だろう。なんかちょっと…なんか違うような。
不味くはない。不味くはないのだけど…ちょっと違う。
味が尖ってると言うか…えぐみを感じる。
フューニャのカレーみたいに、まろやかな美味しさがない。
…何なんだよ、俺は。
フューニャに汚名返上するつもりが。
「えぐいカレーを作る夫」という、新たな汚名を獲得した。
あんなに頑張って作ったのに…。
ずーんと沈み込んだ俺に、フューニャは。
「美味しいですよ、ルヴィアさん」
不味くて食べられませんね、やっぱりまだまだですね。
そう言ってくれても良かったのに。
むしろそう言って欲しかった。下手な慰めが一番傷つく。
「良いんだよ、フューニャ…。不味いって言ってくれれば」
「あら、本当に不味くはないですよ。私は好きです」
「…そうか?」
「えぇ。故郷の郷土料理の味に似てます。懐かしい味です」
「…」
…箱庭帝国の料理って、確か凄く不味いんだよね?
それ、俺…喜んで良いの?
多分喜んじゃいけないよな?
ますますショックを受けた俺に、フューニャはなおも言った。
「何より、あなたが私の為を思って作ってくれたことが伝わってきます。だから美味しいです」
「…でも、これ…失敗じゃないか?なんか…不味くはないけど、ちょっとえぐみがある…」
「これくらい全然許容範囲ですよ。最初から上手に作れる人なんていません。最初は誰だってちょっとミスするものです。この私だってそうなんですから」
え…そうなの?
「フューニャの作るご飯はいつも美味しいだろ…」
「あら。たまにちょっと焦がしたり、塩を入れ過ぎたりするじゃないですか。あなたはそんなときいつも、『このくらい全然気にならない』って言いながらぱくぱく食べるでしょう?」
「…」
それは…だって、本当に気にならないんだもん。
むしろ、ちょっとお茶目なフューニャが可愛いと思ってるくらいで。
「だから私も、美味しいです。ありがとうございます、ルヴィアさん」
「…フューニャ…」
なんて良い子なんだ、お前は。
「おかわり、しても良いですか?」
「うん…。うん…!良いよ」
今度、またカレー作りに挑戦しよう。
次は、もう少し上手く出来るはずだ。
…自分で作ったカレーを食卓に並べ。
フューニャと一緒に、いざ食べてみたのだが。
…何だろう。なんかちょっと…なんか違うような。
不味くはない。不味くはないのだけど…ちょっと違う。
味が尖ってると言うか…えぐみを感じる。
フューニャのカレーみたいに、まろやかな美味しさがない。
…何なんだよ、俺は。
フューニャに汚名返上するつもりが。
「えぐいカレーを作る夫」という、新たな汚名を獲得した。
あんなに頑張って作ったのに…。
ずーんと沈み込んだ俺に、フューニャは。
「美味しいですよ、ルヴィアさん」
不味くて食べられませんね、やっぱりまだまだですね。
そう言ってくれても良かったのに。
むしろそう言って欲しかった。下手な慰めが一番傷つく。
「良いんだよ、フューニャ…。不味いって言ってくれれば」
「あら、本当に不味くはないですよ。私は好きです」
「…そうか?」
「えぇ。故郷の郷土料理の味に似てます。懐かしい味です」
「…」
…箱庭帝国の料理って、確か凄く不味いんだよね?
それ、俺…喜んで良いの?
多分喜んじゃいけないよな?
ますますショックを受けた俺に、フューニャはなおも言った。
「何より、あなたが私の為を思って作ってくれたことが伝わってきます。だから美味しいです」
「…でも、これ…失敗じゃないか?なんか…不味くはないけど、ちょっとえぐみがある…」
「これくらい全然許容範囲ですよ。最初から上手に作れる人なんていません。最初は誰だってちょっとミスするものです。この私だってそうなんですから」
え…そうなの?
「フューニャの作るご飯はいつも美味しいだろ…」
「あら。たまにちょっと焦がしたり、塩を入れ過ぎたりするじゃないですか。あなたはそんなときいつも、『このくらい全然気にならない』って言いながらぱくぱく食べるでしょう?」
「…」
それは…だって、本当に気にならないんだもん。
むしろ、ちょっとお茶目なフューニャが可愛いと思ってるくらいで。
「だから私も、美味しいです。ありがとうございます、ルヴィアさん」
「…フューニャ…」
なんて良い子なんだ、お前は。
「おかわり、しても良いですか?」
「うん…。うん…!良いよ」
今度、またカレー作りに挑戦しよう。
次は、もう少し上手く出来るはずだ。