The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルルシー

──────…花火大会、当日。


ルレイア達は(何故か)俺の部屋に集まって、皆で浴衣の着付けをしていた。

「アイ公~っ。これ分からん!どうやってやるの?」

「こっちが前だよ、アリューシャ」

アリューシャは相変わらず、アイズに着せてもらっていた。

まぁ、でも、こいつらは良い。

だって、浴衣はまともだから。

問題は、残る三名だ。

「はい、シュノさん。帯出来ましたよ」

「ありがとう、ルレイア」

ルレイアに帯を結んでもらって、シュノはとても嬉しそうであった。

嬉しそうなのは良いんだけど。

シュノの浴衣は、所謂浴衣ドレスという奴だった。

ひらっひらのふりっふり。勿論地の色は黒で、派手な紫の蝶が刺繍されている。

髪はくるくるにカールされ、派手な蝶の髪飾りがついている。

…コスプレかよ。

あれ、コスプレ用の衣装だろ。

シュノ可愛いから、似合ってるけどさ。

いかにもルレイアの好みっぽいよな。

更に、そのルレイア自身の浴衣も凄い。

凄いってかエロい。

ルレイアの浴衣は、当然黒で、しかもシュノと同じくでかい紫の蝶がひらひらしている。

シュノが嬉しそうな訳だ。だってルレイアとお揃いなんだから。

右袖はあるのに左の袖はなくて、代わりに黒レースのアームカバーをしていた。

帯も勿論黒、しかも何故か腰じゃなくて脇腹で結んでいた。

髪には派手な蝶の髪飾り。これもシュノとほぼお揃いだな。

人混みに出るからか、香水はいつもよりきつめだし…化粧もいつもより濃いし。

エロい。もうとにかくエロい。

お前、それ明らかに既製品じゃないだろ。自分でデザインしてオーダーした奴だろ。

あんなのがメンズ用として普通に販売されているのだとしたら、世も末だな。

俺、こんな奴と一緒に花火大会行かなきゃならんの?

凄く嫌なんだけど。

しかも。

「ルリシヤの浴衣も素敵ですねー」

「ありがとう」

ルリシヤもルリシヤで大概ヤバい。

こっちはルレイアと違って派手さは抑えめだし、露出も少ないけど…。

ルリシヤの浴衣も黒で、更に黒のビーズとスパンコールで複雑な模様が刻まれていた。

これはこれでエロい。

しかも顔には、いつもの仮面つけてるし。

もう何なんだよ。この怪奇集団。

アイズとアリューシャと三人で行きてぇ。

酷く嘆いていると、俺の気も知らず、ルレイアは満面の笑みで振り向いた。

「さて、それじゃルルシーも着付けしましょうか」

「…」

…悪魔の宣告。

何で俺は、こんなエロい男に浴衣を着せられなきゃならないのか…。
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