The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
屋台で食べ物を買ってから。

俺達は腰を下ろして、花火の打ち上げを待った。

「りんご飴うま~。鈴カステラもうま~」

「アリューシャ、甘いものばっかり食べちゃ駄目だよ」

アリューシャの引率は、とりあえずアイズに任せるとして。

「屋台の食べ物って、安っぽいけど美味しいんですよねぇ」

「あぁ、美味いな」

「…」

変な浴衣を着て、並んで焼きそばとフライドポテトを食べる、『青薔薇連合会』(敵組織と抗争の真っ最中)の幹部。

…あぁ、もう考えないようにしよう。

「ルルシ~。俺にあーんして食べさせてください~」

「こら、人前でくっついてくるな」

公衆の面前だぞ、馬鹿。

夜とはいえ、こいつをこんな人混みに連れてくるものではない。

周囲への被害が半端じゃない。

「あ、見て。そろそろ花火が上がるわ」

打ち上げ開始のカウントダウンが始まり、俺はルレイアを押しやって、空を見上げた。

次の瞬間、どかーん、と大きな音がして花火が上がった。

「わぁ、綺麗ですね~ルルシー。ルルシーの瞳に乾杯!」

「やめろ」

俺じゃなくて花火を見ろ。

「うめぇ。かき氷うめぇ」

「アリューシャ。冷たいもの食べ過ぎたら駄目だよ」

こっちはこっちで、花火よりかき氷に夢中だし。

真面目に花火見ろ。

こいつらとこうしてのほほんと過ごしてると、今が抗争の真っ最中だってこと、忘れてしまいそうになる。
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