The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideアドルファス

──────…その頃、帝国騎士団では。




「…ん?」

廊下を歩いていると、いきなりどーん、と音がした。

窓の外を見ると、夜空に花火が上がっていた。

…あぁ、今日花火大会なのか。

ここからでも花火がよく見える。風流なもんだな。

ま、どうでも良いけど。

大体、花火で喜ぶような年齢じゃねぇし…と思いながら、廊下の突き当たりを曲がった先に、

奴はいた。

「うわっ、何やってんだお前」

「…?」

オルタンスが、双眼鏡片手に、窓に貼り付いていた。

頭おかしくなったのかと思ったが、そういえばこいつは元々、頭はおかしかった。

「花火見たいなら屋上行けよ」

よく見えんだろ。

ってか良い歳して、双眼鏡まで持って花火見るな。

「違うんだ。俺は別に、花火を見たい訳じゃない」

「はぁ?じゃあ何やってんだ」

「ルレイアがいないかと思って」

「…は?」

オルタンスは双眼鏡を手に、熱心に窓の外を眺めていた。

「ルレイアが来てるんじゃないかと思って、探してるんだ」

「…何で?」

「何でって…。一緒に行かないかってメールしたんだけど、未読スルーされて」

「…」

「せめて姿だけでも見たいと思って。だってきっと、凄い服着てると思うぞ。一番派手なのがルレイアだ、きっと」

…それで、双眼鏡片手に探してんの?

「…お前、それストーカーだぞ」

ぶっちゃけ超キモい。

あとキツい。リーヴァ呼んできてくれ、マジで。

「ストーカー…だろうか」

「ストーカーだ馬鹿。キモいからやめろ」

「…仕方ない。じゃあ諦めるか…」

「何で残念そうなんだよ…」

最近上司が大変キモい。これもう、パワハラじゃね?

とりあえずその後、すぐにリーヴァにもリークしに行った。
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