The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルヴィア

─────…その頃、クランチェスカ家では。




俺はその日、再び夕飯作りを申し出た。

リベンジである。

前回のカレーは、ちょっといまいちの出来だった為。

今回は、ちゃんと美味しいものを作って名誉挽回したいと思って。

で、メニューを何にするかという話だが。

ここで楽な方に逃げたくはないので、俺は敢えて難しいメニューに挑戦することにした。

それで作ったのが、オムライスである。

オムライスってそんなに難しいのかと思われそうだが、俺にとっては難しい。

それに、フューニャもオムライス好きだし。

ここは、さながら喫茶店のように綺麗なオムライスを作って、感心させてやろう。

そう思って、俺はオムライスに挑戦してみた。

とはいえ、今までまともに作ったこともなく、ぶっつけ本番。

一応、「オムライス 包み方」でネット検索し、生半可な知識は得ていたのだ。

写真も載っていたし、その通りに作れば上手く行くと思ったのだが。

「…」

出来上がったのは、無惨に引きちぎられた卵を纏ったチキンライスだった。

…何だこれ。

俺の思ってたオムライスと違う。

サイトに載ってたオムライスとは全く違う。

何でこんなことに。

俺のイメージでは、薄焼き卵がふんわりとチキンライスを包み、一つの黄色い塊になるはずだったのだ。

それがどうしたことだ。卵は無惨に破れ、包みきれずにチキンライスがはみ出しまくっている。

…どう見ても、失敗。

「…」

いや待て。まだチャンスはある。

もう一個作れば良いのだ。今度こそ綺麗に。

で、その綺麗な方をフューニャにあげて、この引きちぎられた方は俺が食べれば良い。

それで名誉挽回出来るはず。

そう思って、俺は再びオムライス作りに挑戦した。
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