The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
その後、流れるプールでどんぶらこしてたアリューシャが、

「アイ公~。アリューシャ流され飽きた~!そろそろ別のことしたい」

と要求し始めたので。

「じゃあウォータースライダーでもしようか」

「いぇーい!ウォータースライダー!…って、何?」

「あれだよ。滑り台みたいなのあるでしょ?」

「うぉぉ、やりてぇ」

やっぱり、ウォータースライダーは滑らないと損だよな。

折角の貸し切りで、順番待ちをすることもないし。

「じゃあ俺達も行きましょうか。ほらほらルルシーも」

「あ?うん」

ここのウォータースライダーは全長100メートル。傾斜もかなりあり、途中は暗闇の中を滑ったりもするらしい。とてもスリリング。

それだけに楽しそうだ。

「じゃ、誰から行く?」

「別に誰でも良いけど」

俺も誰からでも良いや。

「へい!アリューシャ!アリューシャ一番!」

アリューシャがトップバッターを名乗り出たが、これにはアイズが反対。

「待って、アリューシャ。アリューシャが先だったら、滑り降りた先で君が溺れてても誰も助けてやれない。私が先に行って待ってるから、その後アリューシャがおいで」

「おぉ!成程。じゃアイ公先で良いよ」

「…至れり尽くせりだな、お前…」

ルルシーには呆れられていたものの、アリューシャは涼しい顔。

そんな訳で、トップバッターは我らがアイズレンシアになった。

「じゃ、行ってくるね」

「おぉ、頑張れ」

アイズは顔色一つ変えず、ひゅー、と滑り降りて行った。

うわぁ、楽しそう。

で、その後にアリューシャが、

「アリューシャ、行きまーす!ひゃっはぁぁぁ!」

「…うるせぇ…」

物凄い勢いで落ちていったが、大丈夫だろうか。

まぁ、出た先にアイズが待ってるから、大丈夫だろう。

「次、誰行きます?」

「先にどうぞ、シュノ先輩。レディファーストだ」

「ありがとう」

シュノさんが三番手。行ってらっしゃい。

で、残ったのは三人。

「さて、ルリシヤ。先に行って良いですよ。俺はルルシーの後に行くことになってるので」

「そうなのか?」

「えぇ、ルルシーに先に行ってもらって、降りた先で腕を広げて待っててもらうんです。で、そこに俺が飛び込む。完璧でしょう?」

「成程、確かに完璧だな」

でしょ?さすがルリシヤ、分かってる。

そんな訳だからルリシヤには先に行ってもらって構わない。その後ルルシーが行って、最後に俺。

「おい待て、何言ってるルレイア。ルリシヤ、俺が先に行くからその後にお前が…」

「じゃあ行ってくる」

「あ、おい待て!」

ルリシヤは、外れないように仮面を押さえてすとーん、と滑り降りて行った。

行ってらっしゃ~い。

「あの野郎…」

ルルシーは、恨みがましそうにルリシヤが滑っていったウォータースライダーを睨んでいた。

まぁまぁ。

「さぁルルシー…。お先にどうぞ?」

「…お前が先に行けよ」

「いやいや、俺の美徳は謙譲の心なので。お先にどうぞ」

「俺の美徳も謙譲の心だから、お前が先に…」

「はいはいルルシー様一名ご案な~い。降りた先で両手を広げて待っててくださいね、そこに俺が飛び込むので!」

「あ、こらおい!」

ルルシーを強引に押して、先に滑らせる。

よし、これで俺はルルシーの腕の中にゴールイン出来るな。

じゃ、俺も行ってきます。
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