The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
プールサイドのサマーベッドに寝そべって、カクテルを飲みながらまったりタイム。

「…zzz…」

アリューシャは爆睡。

「よく寝れるな、あいつ…こんなところで」

「はしゃいでたからね。それに、この時間はいつもアリューシャのお昼寝タイムだし」

俺もちょっと眠くなってきた。

そして、心配事がもう一つ。

「ねぇねぇ、ルルシー」

「…何だよ?」

「これ、塗ってくれません…?」

俺はルルシーに、そっと秘蔵の日焼け止めオイルを差し出した。

ちょっと妖しいお店で買った、ちょっと妖しいオイルである。

でもUVカットは完璧。

「…」

「…うふ」

ルルシーは、俺のオイルをじーっと見つめ、くるりと振り向いて、ルリシヤに声をかけた。

「おいルリシヤ、出番だ。俺の代わりにルレイアに日焼け止め塗ってやれ」

「ん?」

「ルルシーじゃないと駄目なんですよ~!」

ルリシヤでも嫌ではない。嫌ではないけどでも違う。

ルルシーじゃないと、満足感がないのだ。

「自分で塗れ」

「だって自分だけだと背中まで塗れないじゃないですか。俺の艶やかな肌が日焼けしたら困るでしょ?ね?」

「俺は困らない。お前の無数のハーレム会員達が困るだけで、俺は一向に困らない」

そんなつれないこと言わないで。

「ねぇルルシー。ルルシ~塗ってください~」

「やだって…」

良いだろう。なら究極の選択肢を与えることにする。

「俺がルルシーに塗るのとルルシーが俺に塗るの、どっちが良いです?」

「…分かった、塗るよ」

ちっ。

嬉しいけど、でも逆の方が良かったな。

ルルシーの素肌に合法的に触るチャンスだったのに。

まぁ良い。塗ってくれるようだから。

「うふ。じゃあお願いしますねルルシー。いやらしい手つきで触ってくださいね…?」

「きしょい」

ひどーい。

でも良いや。触ってくれるだけで充分満足。

「ったく…何で俺がこんなことを…」

ルルシーはぶつくさ言いつつも、俺の背中に日焼け止めオイルを塗ってくれた。

手つきがちょっと雑なのが残念だが、充分興奮するので許容範囲。

すると。

ぱしゃっ、と音がした。

「…」

「…」

「…ん?」

俺とルルシーが振り向いた先には、こちらを激写するルリシヤがいた。

「…何やってんだ、お前」

ルルシーの声は、とても冷たかった。

「え?このスマホ防水仕様だから、プールに持ち込んでも大丈夫だぞ」

「防水かどうかはどうでも良い。持ち物防水が多いなお前は。何を撮ったんだ」

「今の、写メってルレイア先輩に送ったら喜ぶかと思って」

めちゃくちゃ良い仕事してくれたよ君。

なんて素晴らしい後輩なんだ。

「ナイスですよルリシヤ。あなたは俺の誇りです」

「どうも」

「…」

俺は一度、ルリシヤと決闘した方が良いのかもしれない…と。

ルルシーが心の中で呟いているのが聞こえた気がした。

ルルシーにオイル塗ってもらえたので、俺は満足である。
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