The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
ルニキスを、裏切りたい訳ではなかった。

でも、俺は。

それでも俺は、どうしても。

貧民街出身だからと馬鹿にされ、見下され、偉い奴の笑い者にされてきた自分。

いつかのしあがってやると歯を食い縛り、それでも俺は結局、貴族出身のルリシヤに頼りっぱなしで…自分の力では何もしなかった。

…これじゃ俺は、いつまでも昔と変わらない。

「結局、お前は偉い貴族様に頼らなきゃ何も出来ないんだな」と。

誰かに、笑われているような気がした。

そんなことはない。

俺は自分の力でのしあがることが出来る。ルリシヤがいなくても。

「…分かった。お前の申し出を受ける」

「…ふふ」

フライデルは不気味に微笑んだ。

こうして、俺は闇に堕ちることを決めた。
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