The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
─────ここ最近、俺は酷く気が立っていた。

原因は分かりきっている。『青薔薇連合会』だ。

「『青薔薇連合会』の動きは?まだないのか」

俺はイライラしながら部下に尋ねた。

「はい…。聞いたところによると、その…。幹部達は我々に全く構わず…プール施設を貸しきって遊びに行っていたとか…」

部下は、おどおどしながらそう答えた。

…プールで遊んでた、だと?

「くそっ、馬鹿にしてるにも程がある!何を考えてるんだ、あいつら」

化学兵器を使うマフィアと、抗争中なんだぞ。

分かってるのか?そんな悠長に遊んでる暇が何処にある?

躍起になって、血眼になって俺達の行方を探してなきゃいけないはずじゃないか。

何でこの状況で俺達を無視出来る。王者の余裕だとでも言うのか。畜生め!

「そ、それから…グリーシュさん。もう一つ…不確定ながら、噂が立っていて」

部下は、苛立つ俺に怯えながら意見した。

「何だ」

「その…。前回の襲撃のときに…『青薔薇連合会』側に…ルニキスさんの姿があったと…話してる者がいて」

「…!?」

「プール施設に偵察に行った者も…ルニキスさんらしき人物がいたと」

「馬鹿が。それを何でもっと早く言わなかった!」

俺は部下を殴り付けた。黙っていて良い情報じゃないだろうが!何故もっと早く言わない。

ルニキスだと?あいつが『青薔薇連合会』に?本当に?

「『青薔薇連合会』にルニキスがいた?本当なのか。本当にいたのか!」

「ほ、本当かどうかは分かりません。はっきり見た訳じゃないし、あくまで噂なので…」

「くそが。どいつもこいつも、使えない奴ばっかりだ!」

俺は苛立ち紛れに椅子を蹴り飛ばした。

部下が小さくひっ、と声をあげているのさえ鬱陶しくて、俺は乱暴に出ていけ、と命じた。

部下は逃げるようにそそくさと出ていった。

…ルニキスが、『青薔薇連合会』にいる?

有り得ない話じゃない。それだけの実力があいつにはある。

…もしかして、最近『青薔薇連合会』がすっかり俺達を無視するようになったのは、あいつの入れ知恵なのか?

小賢しい真似を。相も変わらず!

俺達に捨てられたからって、よくもまぁ『青薔薇連合会』なんかに入れたことだ。

『青薔薇連合会』で、俺達を潰そうってことか。

「…そっちがその気なら、こっちもやってやる」

ルリシヤめ。自分がいない『セント・ニュクス』は所詮雑魚だと思っているのかもしれないが、そうでないことを思い知らせてやる。

何せ俺達には、あれがあるんだからな。

使うか使うまいか悩んでいたが…。向こうにルリシヤがいるってんなら、もう容赦はしてやらない。

俺達を無視していたこと、後悔させてやる。
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