The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
俺はすぐに、自室にフライデルを呼び出した。
あれを使うなら、フライデルと話す必要があった。
「何か御用ですか、グリーシュ殿」
「『MY-3』を使うぞ。すぐ準備しろ」
俺は単刀直入に、有無を言わせずフライデルにそう命じた。
これには、さすがのフライデルも驚いていた。
「ほう、決心なさいましたか。しかし随分と過激ですね。何かありましたか?」
「…ルニキスが、『青薔薇連合会』にいるという情報が入った」
噂だろうが、そっくりさんだろうがどうでも良い。
『青薔薇連合会』にルニキスがいる。その可能性が万に一つでもあるなら、生かしてなどおかない。
どうせ『青薔薇連合会』は潰すつもりだったのだ。消すなら完膚なきまでに消してやる。
「ですが、前にも説明した通り…『MY-3』は以前使用した毒ガスとは比べ物にならないほど凶悪な化学兵器です。あれを使えば、『青薔薇連合会』どころか、ルティス帝国帝都に甚大な被害を及ぼします。無関係のルティス国民が大勢巻き込まれることになりますが…」
「構わない。『青薔薇連合会』なんて連中をのさばらせておく国民なんて、物の数には入らない。やれ。『青薔薇連合会』の拠点の真上から落とすんだ」
それで奴らは終わりだ。逃げ場はない。
「…分かりました。ですが、実行は誰が?間違いなく巻き添えで死ぬことになりますが、引き受ける者がいるんですかね?…それとも、グリーシュ殿が?」
「馬鹿を言うな。俺が死んだら誰が『セント・ニュクス』を率いるんだ。適当な構成員を使えば良い」
「自爆テロを引き受ける構成員がいるんですか?」
「断るなら、家族を捕まえて脅すなり、薬で廃人にでもしてやれば良い。とにかくさっさと準備するんだ。もう一分だって待ちたくない」
またあいつが、ルニキスが俺の目の前に現れるかもしれないと思うと反吐が出る。
やっぱり、裏切ったとき仕留めておくべきだった。みすみす逃がしたのが間違いだったのだ。
俺を無視したいのならすれば良い。自分の頭の上に毒ガスを降らされて、そのときようやく後悔するのだ。
俺達を甘く見ていた罰を下してやる。
俺はフライデルに命令して、部屋を出ていった。
…俺が部屋を出た後。
「…ふん。ルティス帝国などどうなっても構わんし、『青薔薇連合会』が壊滅するなら願ってもないことだが…。馬鹿な男だ。結局我々の手のひらの上で踊らされているとも知らず…。…所詮、貧民街生まれのドブネブミだな」
鼻で笑うフライデルの小さな呟きが、俺の耳に届くことはなかった。
そして。
あれを使うなら、フライデルと話す必要があった。
「何か御用ですか、グリーシュ殿」
「『MY-3』を使うぞ。すぐ準備しろ」
俺は単刀直入に、有無を言わせずフライデルにそう命じた。
これには、さすがのフライデルも驚いていた。
「ほう、決心なさいましたか。しかし随分と過激ですね。何かありましたか?」
「…ルニキスが、『青薔薇連合会』にいるという情報が入った」
噂だろうが、そっくりさんだろうがどうでも良い。
『青薔薇連合会』にルニキスがいる。その可能性が万に一つでもあるなら、生かしてなどおかない。
どうせ『青薔薇連合会』は潰すつもりだったのだ。消すなら完膚なきまでに消してやる。
「ですが、前にも説明した通り…『MY-3』は以前使用した毒ガスとは比べ物にならないほど凶悪な化学兵器です。あれを使えば、『青薔薇連合会』どころか、ルティス帝国帝都に甚大な被害を及ぼします。無関係のルティス国民が大勢巻き込まれることになりますが…」
「構わない。『青薔薇連合会』なんて連中をのさばらせておく国民なんて、物の数には入らない。やれ。『青薔薇連合会』の拠点の真上から落とすんだ」
それで奴らは終わりだ。逃げ場はない。
「…分かりました。ですが、実行は誰が?間違いなく巻き添えで死ぬことになりますが、引き受ける者がいるんですかね?…それとも、グリーシュ殿が?」
「馬鹿を言うな。俺が死んだら誰が『セント・ニュクス』を率いるんだ。適当な構成員を使えば良い」
「自爆テロを引き受ける構成員がいるんですか?」
「断るなら、家族を捕まえて脅すなり、薬で廃人にでもしてやれば良い。とにかくさっさと準備するんだ。もう一分だって待ちたくない」
またあいつが、ルニキスが俺の目の前に現れるかもしれないと思うと反吐が出る。
やっぱり、裏切ったとき仕留めておくべきだった。みすみす逃がしたのが間違いだったのだ。
俺を無視したいのならすれば良い。自分の頭の上に毒ガスを降らされて、そのときようやく後悔するのだ。
俺達を甘く見ていた罰を下してやる。
俺はフライデルに命令して、部屋を出ていった。
…俺が部屋を出た後。
「…ふん。ルティス帝国などどうなっても構わんし、『青薔薇連合会』が壊滅するなら願ってもないことだが…。馬鹿な男だ。結局我々の手のひらの上で踊らされているとも知らず…。…所詮、貧民街生まれのドブネブミだな」
鼻で笑うフライデルの小さな呟きが、俺の耳に届くことはなかった。
そして。