The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルレイア

─────…逃走経路は、暗い地下道か。

ドブネズミだな。やっぱり。

「お、お前…」

「話には聞いてましたが…実際に会うのは初めてですね。グリーシュさん、こんにちは。俺は『青薔薇連合会』の幹部、ルレイア・ティシェリー。巷では…死神、なんて呼ばれたりしてるそうです」

あと、フェロモン製造器とかも言われるが。

良い感じに顔がひきつっていて、びびってくれてるのが丸分かり。

俺は丁寧に挨拶しただけだというのに、人の顔見てびびるなんて失礼だな、全く。

「ど、どうやって…この隠し通路を…」

「簡単でしたよ?上にいたあなたの部下、四人くらい腕切り落としたら、泣いて教えてくれました。口の軽い部下をお持ちですね」

部下の教育をしてこなかったツケだな。

時既に遅しだが。

「それで?あなたの協力者とやらは何処です?『愛国清上会』でしたっけ?」

「そ、それを何処で」

「さっきも言ったでしょ?あなたの部下がみーんな教えてくれました」

「…!」

教育って大事だねって、ようやく分かったな。

高い授業料だったな。

何度も言うが、時既に遅し。

まぁ死ぬ前に分かって良かったじゃないか。

是非ともあの世で生かしてくれ。

「化学兵器を造っている工場は、俺の仲間が抑えてます。『セント・ニュクス』は終わりです」

「…っ」

向こうは、シュノさん、アイズ、アリューシャ以下、準幹部達に任せてある。

それだけじゃない。化学兵器の製造工場を摘発するということで、帝国騎士団も出てきている。

むかつく男ではあるが、オルタンスがいるのだから向こうは上手くやるだろう。

で、グリーシュを料理する為に…俺が来た。

俺と、それから。

「…グリーシュ」

「…!ルニキス…。…いや、ルリシヤ…」

ルリシヤ・クロータス。

『青薔薇連合会』の幹部にして、元『セント・ニュクス』のリーダー。

二人が会うのは、裏切られたとき以来だろうな。

感動の再会って奴だ…笑えないけど。
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