The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideアリューシャ

───────…ルル公とルレ公が、難し~く頭を悩ませていた、その頃。

アリューシャは。





「ふんふふんふんふ~ん♪アリューシャは強い~♪さいっきょ~♪正義の味方アリューシャ~♪百発千中~♪」

超気分良く歌いながら、狙撃ポイントにて敵構成員を狙撃していた。

ほとんどの敵は投降したそうだが、一部の頑固頭君達はまだまだ頑張ってるらしいので、それをアリューシャが頑張って撃ってる。

当然ではあるが、アリューシャのこの鼻歌は、アイ公を始め、協力しに来てくれてる帝国騎士団の皆さんにも、インカムを通して聞こえている。

シュー公とかルル公だったら、「聞こえてるんだからやめなさい」とか言うと思うが。

アイ公はな~んにも言わない。

むしろ。

『アリューシャ。百発で千中は無理じゃない?一発で十回当てないといけないよ?』

と、冷静な突っ込みを入れてきた。

え、そうなの?

いーち、じゅーう、ひゃーく…千。あ、本当だ。

指折り数えてようやく分かったぜ。また一つ賢くなったな。

「うーい。じゃあ百発…百一中くらいにするぜ」

百回も撃てば、一発くらい二回当たるだろ。

さすがアリューシャ。

しっかしぬるいな~今日の獲物は。

うごーの衆って奴だよ。前やった憲兵局の人達より更に狙いやすい的だ。

こんなんじゃアリューシャ、MVPになれないよ。

ルル公達の方はもう終わったんかな?

このままじゃMVPの座をルレ公に奪われてしまう。やだ。

「アリューシャがMVPになって、褒められたいな~」

あ、しまった。声に出ちゃってる。

帝国騎士団の皆様に生中継されてるよ。

別に良いけど。

『丁度良かったよ、アリューシャ。君がMVPになるチャンスが出来たよ』

「うん?」

相変わらず優しい声のアイ公だが、こういうときのアイ公は非常に信用ならないことを、長い付き合いのアリューシャは知っている。
< 668 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop