The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「…えぇっと…」

正直、お断りしたかった。

いや、不可能ではないのだけど…でも大変厄介と言うか…。

しかし。

『ルアリスは本当に頼りになりますね~。さすが俺のお友達ですね。まさか断ったりしませんよね?俺とあなたの仲ですもんね~。一緒に革命しましたもんね~。懐かしいですね?』

「…はい」

『じゃ、引き受けてくれますね?』

「…はい」

…そう答える以外に、何て答えれば良いんだ?

嫌ですなんて言えないじゃん。脅迫だ、脅迫。

まぁ…でも、ルレイア殿は『青薔薇解放戦線』の革命を手伝ってくれた、大切な同志。

彼には、一生かけても返せないほどの恩がある。

このくらいは…安いものだと思って、恩返しさせてもらわなくては。

彼が困っているときは、可能な限り助ける。その思いに偽りはない。

そして今、ルレイア殿が直々に、俺に助けを求めてきている。

ならば、それに応えるのが恩義というものだろう。

「分かりました。すぐに派遣します」

『ありがとうございます、ルアリス。うふふふ』

…その不気味な笑いがなければ、もう少し安心して派遣出来たんだけどな。

通話を切り、俺はふーっと息を吐いて、そして振り向き、ユーレイリーに指示した。

「今すぐ、ルティス帝国の国境近辺に駐屯してる警備兵を動かしてくれ。それから同時に、向かえる部隊は全て、国境に派遣する」

「…!?坊っちゃん、何事ですか?今の電話は…」

「事情は詳しく聞いてない。でも、ルレイア殿からの要請だ…。すぐに動こう」

あの人が何を考えているのか、馬鹿な俺ではさっぱり分からない。

けれど、俺にも分かることがある。

あの人が間違っていたことは、一度もないんだってことだ。
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