The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
sideルヴィア
─────…一方、その頃。
地上に残って、『愛国清上会』の基地を包囲していた俺達はと言うと。
地下でルレイアさん達が撃ち漏らした『愛国清上会』の構成員達が、続々と出てきて迎撃体勢を整えていた。
アイズさん、アリューシャさん、シュノさんの三人の幹部と、俺達準幹部組は、その相手に忙しかった。
俺はルルシーさんの派閥の準幹部だから、いつもはルルシーさんの指揮で動いているが。
今日はルルシーさんがルレイアさんと無双しているので、俺に指示を出すのはシュノさんの役目になっていた。
シュノさんでも全く不足はないが、でもやっぱり、いつもと勝手が違ってちょっとやりにくい。
おまけに、今回は帝国騎士団の隊長とも共闘と来た。
対応しきれない訳ではないが、やはり少し動きづらかった。
更に。
『敵多いな~おい。うじゃうじゃいんじゃん』
インカムから、アリューシャさんのうんざりした声が聞こえてきた。
それに同調するように、アイズさんが、
『全くだよ。私達の予想以上に敵が多いようだね』
それとも地下を放棄して、地上に出てきてなんとか俺達を突破しようとしているのか。
『それに、こいつらおかしいわ。兵士達の士気が異常に高い』
と、シュノさん。
…そう。それは俺も思っていたのだ。
帝国騎士団と『青薔薇連合会』に囲まれ、圧倒的に不利な状況だろうに。
敵は投降する者もなく、全員が玉砕覚悟で突っ込んでくる。
一体どうなってるんだ?
何と言うか…自分の信じるものの為なら、命を捨てても構わないというような…。
そんな、破れかぶれな強い意思を感じる。
こいつらは、一体何者なのか。
俺は頭の中で、そんなことを考えていた。
それに、早くこの戦いを終わらせて帰りたいという利己的な願望もあった。
『セント・ニュクス』の襲撃の日から、一度も帰ってない。多分フューニャは、俺のことを心配しているだろう。
ちょっと戦争に行ってくるよ、とは言えないから、「仕事が立て込んでて」と言い訳をしてきたが。
勘の良いフューニャのことだ。何となく察しているだろう。
早く帰って、安心させてやりたい。
なんて、俺は無意識に、余所事に思考を囚われていた。
戦いの最中に余計なことを考えるなんて、愚の骨頂である。
故に。
「…っ!」
「死ねっ!」
視界の外から、銃口を向ける敵構成員が突っ込んでくるのに、気づくのが遅れた。
不味い、間に合わない。
せめて致命傷を避けようと、一歩身体を引いたが…恐らく、負傷は避けられない。
被弾を覚悟した俺だったが、しかし。
そのとき、不思議なことが起こった。
「…うっ!ぐっ…!」
俺に銃口を向けていた敵は、いきなり拳銃を取り落とし、両手で首を押さえて苦しみ悶え始めた。
…?
「ぐ…う…ぅ…」
そのまま彼はがくん、と膝をつき…そのまま目を剥いて、絶命していた。
まるで、見えない何者かに首を絞められたかのように。
…ど、どうなってるんだ?これは。
俺…何もしてないんだが。
まさか毒…でも飲んだのか?いや、でも今…引き金を引けば俺を殺せたかもしれないのに。
何で毒を飲む必要が?
訳が分からず、思わずぽかんと立ち尽くしていると、
「何してるの!?まだ敵は残ってるわよ!」
シュノさんに鋭く叱咤され、俺ははっと我に返った。
そうだ、呆けている暇はない。
「す、済みません!」
俺は再び戦いに集中した。余計なことを考えるのは、後にしよう。
今の謎現象は不可解だが…とにかく、今は目の前の敵を処理することだけを考えるのだ。
地上に残って、『愛国清上会』の基地を包囲していた俺達はと言うと。
地下でルレイアさん達が撃ち漏らした『愛国清上会』の構成員達が、続々と出てきて迎撃体勢を整えていた。
アイズさん、アリューシャさん、シュノさんの三人の幹部と、俺達準幹部組は、その相手に忙しかった。
俺はルルシーさんの派閥の準幹部だから、いつもはルルシーさんの指揮で動いているが。
今日はルルシーさんがルレイアさんと無双しているので、俺に指示を出すのはシュノさんの役目になっていた。
シュノさんでも全く不足はないが、でもやっぱり、いつもと勝手が違ってちょっとやりにくい。
おまけに、今回は帝国騎士団の隊長とも共闘と来た。
対応しきれない訳ではないが、やはり少し動きづらかった。
更に。
『敵多いな~おい。うじゃうじゃいんじゃん』
インカムから、アリューシャさんのうんざりした声が聞こえてきた。
それに同調するように、アイズさんが、
『全くだよ。私達の予想以上に敵が多いようだね』
それとも地下を放棄して、地上に出てきてなんとか俺達を突破しようとしているのか。
『それに、こいつらおかしいわ。兵士達の士気が異常に高い』
と、シュノさん。
…そう。それは俺も思っていたのだ。
帝国騎士団と『青薔薇連合会』に囲まれ、圧倒的に不利な状況だろうに。
敵は投降する者もなく、全員が玉砕覚悟で突っ込んでくる。
一体どうなってるんだ?
何と言うか…自分の信じるものの為なら、命を捨てても構わないというような…。
そんな、破れかぶれな強い意思を感じる。
こいつらは、一体何者なのか。
俺は頭の中で、そんなことを考えていた。
それに、早くこの戦いを終わらせて帰りたいという利己的な願望もあった。
『セント・ニュクス』の襲撃の日から、一度も帰ってない。多分フューニャは、俺のことを心配しているだろう。
ちょっと戦争に行ってくるよ、とは言えないから、「仕事が立て込んでて」と言い訳をしてきたが。
勘の良いフューニャのことだ。何となく察しているだろう。
早く帰って、安心させてやりたい。
なんて、俺は無意識に、余所事に思考を囚われていた。
戦いの最中に余計なことを考えるなんて、愚の骨頂である。
故に。
「…っ!」
「死ねっ!」
視界の外から、銃口を向ける敵構成員が突っ込んでくるのに、気づくのが遅れた。
不味い、間に合わない。
せめて致命傷を避けようと、一歩身体を引いたが…恐らく、負傷は避けられない。
被弾を覚悟した俺だったが、しかし。
そのとき、不思議なことが起こった。
「…うっ!ぐっ…!」
俺に銃口を向けていた敵は、いきなり拳銃を取り落とし、両手で首を押さえて苦しみ悶え始めた。
…?
「ぐ…う…ぅ…」
そのまま彼はがくん、と膝をつき…そのまま目を剥いて、絶命していた。
まるで、見えない何者かに首を絞められたかのように。
…ど、どうなってるんだ?これは。
俺…何もしてないんだが。
まさか毒…でも飲んだのか?いや、でも今…引き金を引けば俺を殺せたかもしれないのに。
何で毒を飲む必要が?
訳が分からず、思わずぽかんと立ち尽くしていると、
「何してるの!?まだ敵は残ってるわよ!」
シュノさんに鋭く叱咤され、俺ははっと我に返った。
そうだ、呆けている暇はない。
「す、済みません!」
俺は再び戦いに集中した。余計なことを考えるのは、後にしよう。
今の謎現象は不可解だが…とにかく、今は目の前の敵を処理することだけを考えるのだ。