The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
戦後処理の面倒臭いことは、帝国騎士団に任せるとして。

俺は。

「…全くしっかりして欲しいですよね。未だに俺におんぶに抱っこですよ。自分の国ことは自分で何とかしてもらわないと困りますねー」

『…はい、済みません』

「分かってます?俺が何とかしなかったら、あなた方そのうち、フライデルにボコられてましたよ。また憲兵局に国を乗っ取られて良いんですか?」

『…良くないです』

「そうでしょうが。本来はあなた方がやらなきゃいけないことだったんですよ。それを俺達が退治してあげたんだから、感謝して欲しいですね。あなた一生、俺に足向けて寝られませんよ」

『…元々あなたには足向けて寝られないです』

あらそう。

すると。

「ルレイア、もうその辺にしといてやれ」

「あっ、ルルシー!」

ルアリスとテレビ通話していたところに、ルルシーがやって来た。

「悪いのはフライデルだ。ルアリスじゃない」

「うんうん、そうですね~ルルシー。ルルシーの言う通りですよ~だいしゅき~」

「きしょい。くっつくな!」

酷い。

ルアリスは画面越しに俺達を見て、あぁ、平和だなぁ…みたいな顔をしていた。

「あ、そうだルアリス。あなた俺に言うことあるでしょ?」

『えっ』

「言うことあるでしょ」

知ってるんだぞ、俺は。

礼儀ってもんだろ。

『あ…はい。ルレイア殿、この度は…本当に申し訳ありませんでした。俺の監督不行き届きのせいで、憲兵局の残党をルティス帝国に逃がしてしまって、挙げ句彼らの始末をルレイア殿にさせるなど、このお詫びは必ずさせて頂きます。勿論今回の抗争にかかった費用の補償も…』

は?ちょっとこいつ何言ってんの?

誰がそんな話したんだ?

「何言ってんですかあなた」

『はっ?』

「馬鹿なんですか?いや済みません疑って。あなたは馬鹿でしたね」

『…』

友達を疑うのは良くないよな。こいつは馬鹿だ。

誰が今そんな話したよ。

『…?…あっ、済みません。こんなことは電話で言うことじゃありませんよね』

「そうですよ」

『分かりました。大至急、日程を調整してルティス帝国に向かいます。ちゃんと直接会って謝罪を…』

「はぁぁぁぁ?あなたの馬鹿面なんて見たって何にも嬉しくありませんよ」

『…』

後ろで聞いていたルルシーに、べしっ、と頭をはたかれた。

痛い。DV。

良いか、俺は謝罪を聞きたいのではないのだ。

そんなもんは糞ほどの価値もない。

それよりも。

「結婚式ですよ、結婚式!セトナさんとの結婚式、俺も呼んでくれる約束ですよね?」

『けっ…こ…』

ルアリスは噎せていた。

ルルシーも噴き出していた。

何?俺何かおかしなこと言った?

「まさかもう終わったとか言いませんよね?あなた、俺を呼びもせずに結婚式を済ませたなんてことがあったら、腹いせにあなたの奥さん寝取りに行きますよ」

『か、勘弁してください…』

「で?もう終わったんですか結婚式は。ガキの製造は?もう二匹くらいは出来ました?」

『…まだです。まだいっぴ…いや、一人も出来てません』

「えー。あなた種無し…?」

だとしたら、めちゃくちゃ同情するけど。

『…それどころか、まだ結婚式の予定も…』

「は?何やってるんですかルアリス。頭おかしいんですか?」

『…』

「…頭おかしいのはお前だろ」

ルルシーから突っ込みが入った。

俺の何処がおかしいの?めちゃくちゃ正常だよ俺。
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