The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
その夜。




「んまっ!やっぱりルルサルサうめぇ」

「ルルシーのチキンサルサは、あれだよね。原点に帰ってきた、って気がするよね」

「サルサも良いが、先輩、俺が作ったキッシュも食べてくれ」

「私が作ったスイートポテトも食べて、ルレイア」

「わぁい。美味しいですね~」

これぞ、平和の象徴。

幹部皆でルルシー宅に集まって、晩餐会。

やっぱりこうでないとね。

しかし、ルルシーは。

「…おい、お前ら」

俺達一堂に向けて、低い声で言った。

「…ルレイアは良い。好きなもの作ってやるから来いって言ったからな。だからルレイアは良い…。その他は何でいるんだ?」

「あ、俺が招きました」

「勝手に招くな。家主の許可もなく」

だぁって。俺だけじゃつまんないし。

どうせなら皆で、ルルシーご飯を味わいたいだろう?

「良いじゃないか、ルルシー。折角また平和を取り戻したんだから」

「そうそう!ケチケチすんなよルル公」

「何だと?」

「まぁそう怒るな、ルルシー先輩。俺のキッシュでも食べて」

「え?あぁ…ありがとう」

「ほらルル公、アリューシャのサラダも食べて」

「サラダはお前が食え」

どさくさに紛れて野菜をルルシーに押し付けようとする辺り、なかなか狡猾なアリューシャである。

失敗してるけど。

「私のスイートポテトもどうぞ、ルルシー」

「う、うん…。上手に作ってるな、シュノ。これじゃがいもではないけど…。いやそれより、何でまたお前達まで」

俺はなぁなぁにされんぞ、と再び小言を言おうとしたルルシーだが。

そこは、恋人として俺がフォローする。

「まぁ良いじゃないですか。ほら、俺がちゅーしてあげるので落ち着いて…」

「落ち着けるか馬鹿。離れろ」

ぐいっ、と押し退けられてしまった。いけず。

ちっ。惜しいところだった。

仕方ないので、ルルシーとのちゅーを諦めて、代わりにルルシーご飯を食べる。

俺がリクエストしたのは、毎度お馴染み、ルルサルサである。

やっぱり美味しいなぁ、何回食べても。

もう何回食べたか分からないけど、やっぱり美味しい。

それに、ルリシヤのキッシュもなかなかの出来。

この二人の料理の腕前は良い勝負だな…。

…あ。

「…そうだ、ルリシヤ。あなた、このまま『青薔薇連合会』に残るんですか?」

「うん?」

『セント・ニュクス』を巡る一件は、幕を下ろした。

つまりこれで、ルリシヤが『青薔薇連合会』にいる理由はなくなったのである。
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