The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルリシヤ

─────…グリーシュは死に、『愛国清上会』は壊滅した。

投降した『セント・ニュクス』の構成員の処遇は、有り難いことにアシュトーリアさんが俺に一任してくれた。

俺はアシュトーリアさんに了解を取って、元『セント・ニュクス』の構成員のほとんどを、『青薔薇連合会』に加入させた。

そしてそれ以外の者は、足を洗って表社会に送り出した。

困ったらいつでも戻ってこい、と言い添えて。

だから、もう『セント・ニュクス』という組織はなくなった。

構成員が誰もいなくなった組織は、例えリーダーが一人残っていたとしても、最早組織として成立しない。

俺とグリーシュが作った組織は、もう何処にもなくなったのだ。

悲しくはある。寂しいとも思う。

後悔だって、死ぬほどしてる。

でも、これで良かったのだとも思っている。

グリーシュも…きっと、そう思ってくれているはずだ。

偉くなる必要はない。誰にも負けないくらい強くならなくても良い。

仲間と共に、生きていくことが出来るなら…それで良い。

そして。

『セント・ニュクス』がなくなった今、俺が『青薔薇連合会』の幹部である理由はなくなった。

俺が『青薔薇連合会』に入ったのは、『セント・ニュクス』を止める為だったのだから。

でも、もう『セント・ニュクス』はない。

俺が『青薔薇連合会』にいる理由もない。

「抜けたいなら、追わないでいてあげますよ。今までの恩に報いてね」

「…ルレイア先輩…」

「まぁ…。あなたがうちにいてくれると、とっても心強いですけどねぇ」

ルレイア先輩は肘をついて、にやにやしながらこちらを見た。

…全く、この人は。

「私も行かないで欲しいな。これほど有能な味方は、探してもそう見つからないだろうからね」

と、アイズ先輩。

アイズ先輩は…思えば、最初から俺を信用してくれていたな。

そして、もう一人。

「アリューシャも。ルリ公変態仮面だけど、ルリ公の野菜料理はなんとか食えるしな」

アリューシャ先輩もまた、俺を疑わないでいてくれた。

一方で。

「私も…。あなたがいたら、ルレイア楽しそうだし。それに…今は、頼れる仲間だと思ってるわ」

おずおずと、でも嬉しいことを言ってくれるシュノ先輩。

そういえばシュノ先輩、一回俺のマンションの前でストーカーしてたことあったよな。あれが懐かしい。
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