The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…と、言うか。
オルタンスが笑ったところ、初めて見た。
めちゃくちゃ気持ち悪かった。間違いなくここ五年で一番気持ち悪い瞬間だったぞ。
今の見たかおい。寒気がしてきた。
「ぶふっ…げほっ、えほっ…」
見てみろ。ルーシッドなんか噎せてる。
リーヴァもまた、「…!?」みたいな顔で驚愕に目を見開いたまま固まってるぞ。
あのアストラエアでさえ、ドン引きの表情。
微笑み一つで会議室を混沌に変える男、オルタンス。
それなのに、本人は。
「…?」
何か悪いことしました?とでも言わんばかりの顔。
悪いわ。笑うな気色悪いから。
「何なんだよお前。何見てんださっきから。気持ち悪いな」
こうなってはもう、無視することは出来ない。
今のは不可抗力だ。無視するつもりだったけど、いきなり笑い出されたら突っ込まざるを得ないだろう。
あっ、やべ。あまりの気持ち悪さに鳥肌立ってきた。
普段笑わない奴が笑うとこんなに気持ち悪いんだって、初めて知った。
「いや…さっき、ルレイアからメールが送られてきたんだ」
「…何の?」
「ほら」
オルタンスは、自分の携帯の画面を見せてくれた。
そこには、満開の桜をバックに、妖艶な笑みでポーズを決めるルレイアの姿が映し出されていた。
「…」
「他にも色々あるぞ、ほら」
画面を横にスライドすると、ルルシーとのツーショットやら、仮面をつけた男とポーズを決めていたり、とにかく『青薔薇連合会』の幹部仲間との写真が何枚も送られてきたようだ。
どれも背景が桜なので、恐らくこれは…花見の最中なのだろうな。
あいつら花見なんてしてんのか。
「…で、それを見て何で笑うんだよ」
と言うか、ルレイアは何でそれをオルタンスに送ってきたんだよ。
酔っ払ってんのか?
「微笑ましいじゃないか。ルレイアが楽しそうで」
「…」
「ルレイアが楽しそうにしているところを見ると、こっちも楽しい気分にならないか?」
「…ならねぇよ」
頭おかしいんじゃないの?こいつ。
いや、もとからおかしいけどさ。
「ふん。マフィアの癖に、呑気に花見など…」
アストラエアは吐き捨てるように呟いた。
まぁ…気持ちが分からんでもないが、あいつらは闘争心に燃えているより、呑気に花見でもしていてくれた方が、俺達にとっては安心だからな。
存分に花見を楽しんでくれ。
「羨ましいな、花見…。俺達も会議なんてしてないで、花見しようか。そしてその写真をルレイアに送りたい」
「このメンバーで花見とか、拷問かよ」
「げほっ…げほっ、えほっ」
「…真面目に会議をしてください、オルタンス殿…」
激しく噎せるルーシッドと、嘆くように言うリーヴァ。
もう駄目だ。俺達、今日真面目に会議出来る気がしない。
全部オルタンスのせいだ。
こんな奴と花見なんて、拷問以外の何なんだよ。
大体そんな写真送られても、ルレイアは一瞬見て高笑いして、仲間内で写真を回し見て皆で高笑いして、そして一通り楽しんでから消去られるのがオチだろ。
「…花見は嫌か?」
「花見が嫌なんじゃない。お前と花見するのが嫌なんだよ」
「…そうか。それは残念だ」
そうかい。
お前、もう『青薔薇連合会』行けよ。
「…じゃあ代わりに、このルレイアの写真を待ち受けにしよう」
「…!?」
「げほっ!?…げはっ、げほっ」
「もういい加減やめてやれ。ルーシッドに息をさせてやれ」
そろそろ耐久限界。
この様子をもしルレイアが見ていたら、きっと指差して笑い転げてただろうな…と。
もう何度も思ったことを、俺はこの日も思った。
END
オルタンスが笑ったところ、初めて見た。
めちゃくちゃ気持ち悪かった。間違いなくここ五年で一番気持ち悪い瞬間だったぞ。
今の見たかおい。寒気がしてきた。
「ぶふっ…げほっ、えほっ…」
見てみろ。ルーシッドなんか噎せてる。
リーヴァもまた、「…!?」みたいな顔で驚愕に目を見開いたまま固まってるぞ。
あのアストラエアでさえ、ドン引きの表情。
微笑み一つで会議室を混沌に変える男、オルタンス。
それなのに、本人は。
「…?」
何か悪いことしました?とでも言わんばかりの顔。
悪いわ。笑うな気色悪いから。
「何なんだよお前。何見てんださっきから。気持ち悪いな」
こうなってはもう、無視することは出来ない。
今のは不可抗力だ。無視するつもりだったけど、いきなり笑い出されたら突っ込まざるを得ないだろう。
あっ、やべ。あまりの気持ち悪さに鳥肌立ってきた。
普段笑わない奴が笑うとこんなに気持ち悪いんだって、初めて知った。
「いや…さっき、ルレイアからメールが送られてきたんだ」
「…何の?」
「ほら」
オルタンスは、自分の携帯の画面を見せてくれた。
そこには、満開の桜をバックに、妖艶な笑みでポーズを決めるルレイアの姿が映し出されていた。
「…」
「他にも色々あるぞ、ほら」
画面を横にスライドすると、ルルシーとのツーショットやら、仮面をつけた男とポーズを決めていたり、とにかく『青薔薇連合会』の幹部仲間との写真が何枚も送られてきたようだ。
どれも背景が桜なので、恐らくこれは…花見の最中なのだろうな。
あいつら花見なんてしてんのか。
「…で、それを見て何で笑うんだよ」
と言うか、ルレイアは何でそれをオルタンスに送ってきたんだよ。
酔っ払ってんのか?
「微笑ましいじゃないか。ルレイアが楽しそうで」
「…」
「ルレイアが楽しそうにしているところを見ると、こっちも楽しい気分にならないか?」
「…ならねぇよ」
頭おかしいんじゃないの?こいつ。
いや、もとからおかしいけどさ。
「ふん。マフィアの癖に、呑気に花見など…」
アストラエアは吐き捨てるように呟いた。
まぁ…気持ちが分からんでもないが、あいつらは闘争心に燃えているより、呑気に花見でもしていてくれた方が、俺達にとっては安心だからな。
存分に花見を楽しんでくれ。
「羨ましいな、花見…。俺達も会議なんてしてないで、花見しようか。そしてその写真をルレイアに送りたい」
「このメンバーで花見とか、拷問かよ」
「げほっ…げほっ、えほっ」
「…真面目に会議をしてください、オルタンス殿…」
激しく噎せるルーシッドと、嘆くように言うリーヴァ。
もう駄目だ。俺達、今日真面目に会議出来る気がしない。
全部オルタンスのせいだ。
こんな奴と花見なんて、拷問以外の何なんだよ。
大体そんな写真送られても、ルレイアは一瞬見て高笑いして、仲間内で写真を回し見て皆で高笑いして、そして一通り楽しんでから消去られるのがオチだろ。
「…花見は嫌か?」
「花見が嫌なんじゃない。お前と花見するのが嫌なんだよ」
「…そうか。それは残念だ」
そうかい。
お前、もう『青薔薇連合会』行けよ。
「…じゃあ代わりに、このルレイアの写真を待ち受けにしよう」
「…!?」
「げほっ!?…げはっ、げほっ」
「もういい加減やめてやれ。ルーシッドに息をさせてやれ」
そろそろ耐久限界。
この様子をもしルレイアが見ていたら、きっと指差して笑い転げてただろうな…と。
もう何度も思ったことを、俺はこの日も思った。
END