The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「えっ…。それで良いの?」

「えぇ、良いですよ。欲しいなーって思ってたので」

ブランドもののマニキュア、コンプリートセットなんて、一般人からすればお高い買い物だが。

シュノは『青薔薇連合会』の幹部。その程度の買い物は、大した出費ではない。

それよりルレイアに誕生日プレゼントをリクエストしてもらったことが嬉しいらしく、罰ゲームなのにシュノはご機嫌である。

…ん?誕生日プレゼント?

「ルレイア先輩、もうすぐ誕生日なのか」

「そうなんですよ~。ルリシヤも何かプレゼントください」

厚かましい奴だ、全く。

そうか…ルレイア、もうすぐ誕生日なんだよな。そういえばそんな時期だな。

「ルレイア先輩、何が欲しいんだ?俺が手に入れられるものなら何でも用意するが」

「そうですねー。じゃあ、ルルシーをください」

「分かった。当日ルルシー先輩を捕まえて、リボン巻いてルレイア先輩に渡すよ」

「ありがとうございます!」

「おい待て。ちょっと待てルリシヤ」

お前、一体何考えてる。

ルレイアもだ。ありがとうございますじゃねぇよ。

「どうした?ルルシー先輩」

「どうしたじゃねぇ。お前、何するつもりだ?」

「?リボンはちゃんと黒にするぞ?」

「そんな心配はしてねぇ」

誰がリボンの心配をしたよ。

まず俺をプレゼントすることを疑問に思え。

「俺をプレゼントするんじゃねぇ」

「でも、ルレイア先輩が欲しがってるのに」

ルレイアが欲しがってるからって俺を売るな。俺だって先輩だぞ。

そりゃお前だったら、俺も捕まえられるかもしれないけど。

「他のものをプレゼントしてやれ」

「でも…。…あ、そうか。ルルシー先輩は自分で自分をプレゼントしたいのか。それは悪いことをしたな。俺が渡すんじゃ駄目だよな。分かった」

は?

何その気持ち悪い誤解。

「ルルシー先輩のプレゼントを横取りするなんて無粋なことは出来ない。よし、じゃあ俺は自分で考えて用意することにするよ」

「その気持ち悪い誤解やめろ。誰が自分をプレゼントするか!」

良いか、もう何度も言ってきたけどな。

俺に、そんな趣味はないのだ。
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