The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
最近、上司が大変キモいので。

そろそろパワハラで訴えても良い気がしてきた。

「そうだな…。ルレイアは黒が好きだそうだから、オニキスのアクセサリーをプレゼントしようかと思ったんだが」

恋人かよ。

アクセサリーは重いわ。

しかも。

「お前な、冷静に考えてみろ。アクセサリーなんか送って、ルレイアが身につけると思うか?捨てられるか売られるか、他の人に渡されるかのどっちかだろ」

「…そうかな」

「お前は自分がルレイアに憎まれてること分かってるか?」

恋人か何かだと勘違いしてないか?

あいつが過去の恨みをそう簡単に忘れるはずがない。

「…別に捨てられても良い。転売されても、ハーレム会員を手懐ける為に他の人に渡されても構わない。プレゼントを渡すか渡さないか、問題はそこであって、そのプレゼントをルレイアがどうするかじゃない」

「…」

…割とストーカー思想だぞ、お前。

まぁ良い。お前がどうしてもそうしたいってんなら、そうすれば良い。

アクセサリーでも何でも渡せば良いさ。

「…それで、他にどんな候補があるか意見を出してもらおうと思うんだが。どうだろう?」

「え?いや…」

そこで俺達に振るなよ。って話だよな。

アクセサリーが良いって思ったんならアクセサリー送れば良いじゃん。好きにしろよ。

何故俺達に聞くんだ。

「えっと…。無難に菓子折りを送れば良いのでは?」

早く解放されたいからか、リーヴァは真面目に答えた。

しかし、そんなリーヴァの思いも届かず。

「あぁ。彼は昔甘いものが大層好きだったからな…。でもそう思って先日洋菓子を送ったが、全部鳩にやったそうだ」

「…」

鳩も迷惑だろ。何食わされたんだ。

「だから洋菓子はやめようと思う」

「…そうですか…」

「ルシェは何が良いと思う?良かったら連名で送らないか」

ますます捨てられる可能性が高くなると思うんだが。

「私ですか?そうですね…。私の知ってるあの子とは、もう好みが変わってるでしょうけど…」

お前も乗り気かよ。

駄目だ。相手が『青薔薇連合会』の幹部だって忘れてやがる。

「私は無難に、花でも送ろうかと」

「花か…。青い薔薇があれば良いんだが…」

いつもブローチつけてるしな。

でも残念ながら、青い薔薇は入手困難だ。

「さすがにないですから、黒い薔薇にしようと思います」

「そうか…。花は良いかもしれないな。もしかしたら部屋に置いてくれるかもしれない」

…部屋に置いてもらいたいのかよ。お前は。

もう良いから、ルシェと二人で相談してくれ。

俺とリーヴァとルーシッド、要らんだろ。

俺達だけでも帰らせて欲しい。最早頭が痛い。







…数十分の話し合いの結果、オルタンスとルシェは、結局オニキスのピアスと、黒い薔薇のプリザーブドフラワーを送ることに決定した。

残業代寄越せ。


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