The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「ありがとうございます、アイズ。何ですか?これ」

「さすがに高級車やブランドの腕時計じゃないけどね。ルレイアの好きな『frontier』の新作アルバム、レコード会社に掛け合って、特別にフライングゲットした。本人達の直筆サイン入りね」

アイズはぱちん、と悪戯っぽくウインクをした。

これぞマフィアの権力。まさか発売前のCDアルバムを、本人達のサイン入りで入手するとは。

コネがなくては出来ない芸当である。

「わぁ、凄い。ありがとうございます」

ファンには堪らない逸品だよ、これは。

値段には代えられない価値があるよね。

「それとルレイア、これ。アシュトーリアさんから預かってきたんだ」

「お、ありがとうございます」

アイズは、ルティス帝国で高級洋菓子店として有名なお店のホールケーキをくれた。

残念ながら、今日はアシュトーリアさんは出張で不在なのである。

でもこうしてアイズにプレゼントを託してくれているし、しかも今朝朝イチに、アシュトーリアさんからハピバメールが届いていた。

ちゃんと覚えてくれている訳だ。有り難いことに。

ケーキ、後で皆で食べよう。

「はい!次アリューシャ。アリューシャ色々考えたけど、よく分かんなかったから、アイ公に聞いてこれにした!」

アリューシャは何をくれたんだろうな?

早速包みを開けてみる。これは…。

「綺麗ですね。フラワリウム、って奴ですよね?これ」

「特別に、黒い花だけで作ってもらったんだ」

アイズ監修なだけあって、めちゃくちゃセンスあるじゃないか。

こんなのベッドサイドに置いてたら、雰囲気あるよね。

「アイ公にポチってもらったぜ!良いだろ?」

「えぇ。とっても」

「…自分でポチれよ。お前…」

ルルシーは呆れ果てていたが、俺は全く気にしない。

大事なのはな、気持ちなんだよ。

さて、次。

「ルレイア、これ私から…」

「ありがとう、シュノさん」

「マニキュアセット、ちゃんと買ってきたわ。それとこれも…」

シュノさんには、事前に罰ゲームと称して、誕生日プレゼントのリクエストをしていた。

それにプラスして、シュノさんは可愛らしいブランドもののテディベアをくれた。

女の子からのプレゼントって、こういうところが良いよね。

とてもほっこりした気分になれる。

「可愛いですね。ありがとう、シュノさん。嬉しいです」

「えへへ…」

シュノさんは照れ臭そうに笑った。

俺が優しく接する女性は、シュノさんとアシュトーリアさんくらいのものだぞ。

家族だからな。
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