The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
他の上級ハーレム会員は、家だの車だのをプレゼントしてきてるから…それに比べたら、確かに安上がりだ。

しかし、これは。

「これは、俺の会員からのプレゼントじゃありませんよ」

「そうなのか?」

「えぇ。オルタンスとルシェからのプレゼントですからね」

さっき、差出人を確認したよ。

あいつらからの誕生日プレゼントだ。忌々しいことにな。

「…!?オルタンスとルシェだと?」

隠し撮りされていたことを嘆いていたルルシーも、そんなことは一瞬で頭から吹き飛んだらしい。

オルタンスとルシェの名前を聞いたら、そりゃそうなるだろう。

俺は、もうあんまり驚かなかったけど。

多分来るだろうなと思ってたし。

「オルタンスとルシェって誰?アイ公知ってる?」

「帝国騎士団の団長と副団長だよ。アリューシャも何度か会ったでしょ」

「そうだっけ?あんま覚えてねぇや」

覚えてなくて良いよ、アリューシャ。あんな奴ら。

「あいつらまで送ってきたのか…」

「そのようですね」

ったく、呑気なもんだよ。

俺はあいつの誕生日なんか知りもしないのに。

「ピアスと花ねぇ…。どうすんの?捨てんの?」

「捨てませんよ。食べ物だったら鳩にやってたところですけど…。ピアスは通りすがりの女性にでもあげて、プリザーブドフラワーは…廊下にでも飾っておきましょう」

「…」

オルタンスに罪はあるが、ピアスには罪はないからな。

捨てるのは勿体ない。

捨てはしないが、使うとは言ってない。

それから。

「こっちはルアリスからですね」

箱庭帝国産のお菓子と…こっちは、アシスファルト産の名酒か。なかなか気が利くじゃないか。

しかし、無難なところをついてきたな。安全策を取ったな。

下手なアクセサリーやコスメなんか送って、俺のご機嫌を損ねるのを怖がったな?さては。

合格だ。

「ルアリスはお前の誕生日を知ってたのか…」

「教えたんですよ。誕プレ欲しいなぁって思って。うふふ」

「…お前って奴は」

はぁ、と呆れるルルシー。

大丈夫大丈夫。代わりにルアリスの誕生日には、俺がめちゃくちゃセンスあるゴスロリ服送ってあげる予定だから。

ルアリスはきっと、涙を流して喜んでくれるだろう。
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