The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「おぉ~、ルレ公っぽい!」

「本当だ。ルルシー頑張ったね。これ買うの恥ずかしかったでしょ」

「…めちゃくちゃ恥ずかしかったよ。『プレゼント用に包装してくれ』って二回くらい強調した」

酷い。堂々と「自宅用です」って言えば良いのに。

ルルシーったら、あれだな。エロ本を単品で買えないタイプだな。

もー。シャイなんだから。

「なかなかセンスがあるな」

「えぇ。素敵です」

ちゃんと手首も綺麗に隠れるし。とっても素敵。

何より、ルルシーからのプレゼントってところが素晴らしい。

俺は早速新しいフィンガーブレスレットに付け替えた。

うんうん。付け心地も良い。

まるでルルシーに手を繋いでもらってるみたい。

「えへへ。ありがとうございます、ルルシー」

「気に入ったか?」

「これをルルシーだと思って、毎日ちゅーしますね」

「…やっぱり、渡すのやめとけば良かった…」

もうもらっちゃったもんね。

ルルシーからのプレゼント…。あぁ、なんて魅惑的な言葉だろう。

「見てくださいシュノさん。ルルシーにもらいましたよ~」

「うん。とっても素敵ね。良かったねルレイア」

「はい」

あんまり嬉しかったので、シュノさんに見せびらかしちゃったり。

アシュトーリアさん帰ってきたら、彼女にも見せよう。

「めちゃくちゃ喜んでるようだな。良かったな、ルルシー先輩」

「あぁ…。俺は、お前に襲われなかったことが一番良かったと思ってるよ」

「フィンガーブレスでこんなに喜ぶんだから、ルルシー先輩本体を渡したらどんなに喜ぶだろうな」

「…」

ルルシーは真顔で、アイズに助けを求めた。

「…アイズ。俺を匿ってくれ」

「大変だね、ルルシー…」

「惚れられた相手が悪かったな、ルル公」

「…全くだ」

溜め息をつくルルシーの横で、俺はプレゼントを手に大喜びであった。

ルルシーはそんな俺を、欲しいものを買い与えてもらってはしゃぐ子供でも見るように眺めていた。

実際そうだしな。今の俺は。

すると。

「あぁ…そうだ、ルレイア。改めて」

「はい~?」

「誕生日おめでとう、ルレイア」

「…」

…これは。

はっきり言って、これはちょっと…不意討ちだった。
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