The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
しかも、それだけではない。

「そう怒るな、ルルシー先輩。今時課金くらい誰でもやることだろう?」

「…お前もやってんのか?課金…」

その…忌々しいネコだの薔薇の俺に。

「あぁ。でも精々、一月数十万程度だ。問題ない」

大問題。

頭おかしいぞお前。

…え?冗談だよな?

「…シュノは?シュノも課金してるのか」

「私は…月数千円くらいかな」

微課金、ってところか。

まぁ健全な金額だな。セーフ。

だがルレイア、ルリシヤ。お前らは駄目だ。

特にルリシヤ。

「はいはい!アリューシャも!アリューシャも課金してるぜ!」

「マジかよ…」

アリューシャまで?こいつはいくらだ?

「アイズ…。アリューシャが課金って危険過ぎだろ」

両手がなけりゃ数も数えられないような奴が、課金なんて。

小学生に課金させるようなものだぞ。

際限なく使っても問題ないくらい稼いではいるけどさ。一応こいつも幹部だし。

とはいえそこのアホみたいに、知らず知らずのうちに月何十万も使ってました、なんてことになったら…。

しかし保護者アイズ、そこは抜かりなかった。

「大丈夫。アリューシャのスマホには私がフィルターかけてるから。月一万円以上は課金出来ないようになってるよ」

さすがである。

アリューシャのお守りは万全だな、アイズ。

「それでアイズは?アイズも課金してるのか」

「私はしてないよ。完全無課金。スマホ画面の絵の為にお金を使うなんて、なんだか馬鹿らしくてね」

アイズよ。お前は偉い。

この中で一番お前が偉いぞ。

そしてルリシヤが一番の馬鹿だ。

「アイズ…。俺、お前を心から尊敬してるよ…」

ルレイアとルリシヤは、アイズの爪の垢を煎じて飲めば良いと思うんだ。

特にルリシヤ。

「ねぇルルシ~。やりましょうよ~一緒に~」

「何で俺まで…。やらねぇよ」

「とりあえず一回やってみましょ?ね?」

ね?じゃねぇし。

俺はそういうスマホゲーには興味ないし、そんなことやってる暇もないのだ。

それなのに。

「はい、ルルシー先輩。インストール完了だ。まずはチュートリアルからやってみよう」

「…は?」

ルリシヤが、何故か俺のスマホを握っていた。

…いつの間に?

スマホを入れていたはずの上着のポケットを探ると、いつの間にかなくなっていた。

「…お前、いつスッた?」

「え?さっき。ルルシー先輩にもやらせてみようと思って」

「…」

「アバターの名前は、気を利かせて『ルレイア萌え』にしておいてやったぞ」

「…」

「さっすがルリシヤ~♪良い仕事しますね~」

「お褒めに預かり光栄だ」

…俺、やっぱり一回ルリシヤと、本気で殴り合った方が良いのかな。
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