The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
更にルレイアは、留まることなく地雷をぶち抜いていく。

「うーんと~。ルアリスはですね~…最初に見たときは、頼りなくてお子ちゃまで、世間知らずで童貞で、そりゃもう救いようのないポンコツだったものですが…」

…新郎をディスるな。

あとせめて童貞は外してやれ。

「しかも恐ろしく甘ちゃんで覚えも悪くて、おまけにビビりだし臆病で雑魚で、そして童貞で」

童貞だけ二回言うな。

ルアリスに失礼過ぎる。

「そんなルアリスでしたが、俺が手取り足取り優しく、懇切丁寧に指導したことで…今はこんなに立派なルアリスになりました」

…恩着せがましいにも程がある。

優しく指導なんて嘘だろ。めちゃくちゃスパルタ、ってか…俺が憲兵局に襲われなかったら、お前ルアリスに協力なんてしなかっただろうが。

何を「自分の手柄です」と言わんばかりに。

「今日のセトナさんとの結婚式も、ルアリスもセトナさんもキモいくらい奥手の二人だったので、俺が事あるごとに『早く結婚しろ』とせっついたお陰で、無事に結ばれることになりました。まぁ、まさか本当に春に結婚式を挙げるとは思いませんでしたが」

ルアリスは「えぇ!?」みたいな顔になっていた。

…気の毒な。「春に結婚式」云々はルレイアが本気で言っているものと思って、急いで結婚式の準備を進めたのだろうに。

まさか、ルレイアの妄言だったとは。

ごめんなルアリス。後であいつ殴っとくから。

「あとはお二人の子供ですね。俺はもうとっくに三匹くらい製造完了してると思ってたんですが、どうやらまだらしいので、出来上がったら見せてくださいね。そのときは俺がオーダーメイドした、ゴスロリおくるみをプレゼントさせて頂きますので」

最高に良い笑顔で、なんて下世話なことを言ってるんだ。

お前の子供の数え方は間違ってる。

大丈夫だルアリス。ゴスロリおくるみは俺が全力で阻止してやるからな。

「とにかくあれですよ。精々末長く幸せに爆発してくださいね。以上です!」

…面倒臭くなったな?ルレイア。

お前なりの精一杯の祝辞なのだろうが…。

披露宴会場は、新郎新婦も含め、異様な雰囲気になっていた。

それなのにルレイアは、へらへらとスピーチを終えて戻ってきた。

「…この馬鹿!」

「あいたっ!」

とりあえず、後頭部ひっぱたいといた。
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