The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルレイア

─────…俺は、あんなに素晴らしいスピーチをしたというのに。

何故か、ルルシーにひっぱたかれた。

酷い。DVだわDV。



そして、結婚式も無事に終わり。




「ルレイア殿…ルルシー殿、それから…えぇと、ルリシヤ殿でしたね。今日は俺達の為に、ありがとうございます」

忙しいだろうに、ルアリスとセトナは俺達のもとに挨拶しに来た。

「ほぼ面識がないルリシヤでさえ、ルアリスはちゃんと名前を覚えてるって言うのに…。お前って奴は、いい加減ルアリスの名前を覚えろ」

いやん、ルルシー。

それは言わない約束でしょ?

「おまけにあんなふざけたスピーチ…。ルアリス、本当済まん。ルレイアが馬鹿なせいで」

「あ、いえ…。ルレイア殿がスピーチをすると聞いたときから…その、覚悟してましたから」

おぉ、さすがルアリス。

お前良い子だな。

大体、俺がスピーチで言ったことは全部事実だし。

ただオブラートに包まなかっただけで。

俺は口は悪いけど、嘘は言ってない。

「でもその…。ゴスロリおくるみはさすがにやめて頂きたいかと…」

「…あ゙?」

「あっ、いえ…。有り難く頂戴します」

そうだろうそうだろう。

実はもうデザインは出来上がってるんだ。

あとは二人がさっさと製造すれば良い。

「お前な、ルレイア…。…はぁ」

ルルシーは、もう何も言うまい…と溜め息をついていた。

そして、次にルアリスは、ルヴィアさんとその嫁に挨拶した。

「フューシャも。今日は来てくれてありがとう」

「こちらこそ」

「ルヴィアさんも、ありがとうございます」

「いや…。良い式だったな」

俺のスピーチのお陰だな。

「夫婦としては、フューシャ達の方がずっと先輩だから…。見習わないとな」

俺とルルシーの方が更に先輩なんだけどな。

俺達は見習ってくれないのだろうか。

「ちなみに、フューシャさん。夫婦円満の秘訣とか…何かあります?」

すると、セトナがそんな面白い質問をした。

夫婦円満の秘訣?

「そうですね…。夫婦円満の秘訣は二つあります」

「二つですか?一つ目は?」

俺も興味ある。

ルヴィアの嫁流、夫婦円満の秘訣。

「一つ目は、まずお互いを深く愛し合うことです」

成程。それは大事だな。

ルヴィアさんの方も、まんざらでもなさそう。

で、二つ目は。

「二つ目は、亭主の弱味を握ることです。この二つで家庭は円満に回ります」

「え…!?」

セトナもルアリスもルヴィアさんもルルシーも、愕然として目を見開いていた。

うーん、成程…。分かる気がする。

「…ふ、フューニャ…?お前、俺の弱味握ってるの…?」

ルヴィアさんの声が震えていた。

「…」

すっ…と目を逸らすルヴィア嫁。

世の中にはな、知らない方が良いことってたくさんあるんだよ。

俺はそっとルルシーの手を取って、際どい上目遣いで言った。

「…参考にしましょうね?ルルシー」

「断る」

ひどーい。

全くツンデレなんだから、ルルシーは。
< 762 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop