The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「また遊びに来てくださいね」とルアリスに送られ、俺達は箱庭帝国を後にした。

クランチェスカ夫妻は、もう少し箱庭帝国を観光して帰るそうだ。





ルティス帝国帝都の空港にて。




「さぁルルシー!帰ってきましたよ!俺達も結婚しましょう!」

このときをずっと待っていたのだ、俺は。

ルアリスとセトナの幸せそうな結婚式を見れば、奥手なルルシーも俺との結婚を決意してくれるはず。

それなのに。

「さて、本部に帰るかルリシヤ。アリューシャに土産もやらないといけないし」

「ちょっとルルシぃぃ!俺との結婚!」

「知らん。帰る」

なんてことだ。この期に及んで、俺の求婚を無視するとは。

「ルルシー先輩、ルレイア先輩と結婚してやらないのか。もう良いんじゃないか?そろそろ婚姻届出しても」

ルリシヤ、あなたなんて良い子。

ルリシヤもこう言ってるんだから、ルルシーもそろそろ意地を張るのをやめて…。

しかし、ルルシーは。

「断る」

がーんっ!

なんてことだ…。何の為にルアリスを結婚させたと思ってる。

ルルシーを触発させて俺と結婚する為だったというのに!

「ルルシーが結婚してくれるって言うまで、俺ここから動きませんから!結婚して結婚して結婚して~!」

「馬鹿、恥ずかしいからやめろ!良い歳して何やってんだ!」

「幼稚園児の『お菓子買って』のノリで結婚要求とは。ルレイア先輩…さすがだ」

「感心してないでお前も止めろ!」

「あぁ…そうだな、済まん」

ルリシヤはそっと俺の肩に手を置いた。

そして。

「大丈夫だルレイア先輩。結婚なんて制度的な問題でしかない。ルルシー先輩とルレイア先輩は、婚姻届を出すまでもなく既に結婚してるようなものじゃないか」

「…ふぇ?」

アリューシャみたいな声出ちゃった。

「結婚しようがすまいが、今と何の変わりがある?ルレイア先輩の隣には、いつでもルルシー先輩がいる。今までも、これからも。婚姻届なんて薄っぺらい紙の一枚が何だって言うんだ?」

君は…君は、なんて良いことを言うんだ。

正に真実ではないか。

「どうしても出したいって言うなら、今度俺がルルシー先輩の家に忍び込んで、気絶させてルルシー先輩の手でサインさせて、印鑑も押して持ってきてやる。だからルレイア先輩…もう泣くな。ルレイア先輩に、涙は相応しくない」

「ルリシヤ…ありがとうございます。あなたは最高の後輩です」

「ふふ、どういたしまして」

ルリシヤとの、ふか~い絆を感じた。

しかし、ルルシーは。

「…こいつら二人、飛行機で送り返そうかな」

真顔でそう呟いていた。

いやん。
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