The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルアリス

──────…あれだけ、春に結婚式挙げてくださいね!と強調されたから。

これはもう、言うこと聞かなかったらブチギレのパターンだと思って。

こうなったら、ちょっと強引でもセトナ様にアピールしよう。

俺は勇気を出して、彼女に声をかけた。

結婚式しないとルレイア殿が怖いというのもあったが、何より俺も、生涯の伴侶としてセトナ様を選ばせてもらえるのなら、これ以上嬉しいことはないと思っていた。

ルレイア殿に脅されなければ、俺はもう少し時間をかけて…それこそ何年もかけて、セトナ様との仲を進展させたいと思っていたが。

彼の脅しのせいで、俺達はいささか強引にハードルを飛び越えて結婚に至った。

セトナ様が、予想外に俺の気持ちに応えてくれたお陰だ。

トントン拍子に話が進み、強引に結婚式の準備を整え、何とかルレイア殿の言う通り、この春に結婚式を挙げることが出来たのだが…。

…その結婚式の当日に、ルレイア殿のあの脅しが、彼の悪質な冗談であったことが本人の口から判明した。
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