The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
握手会の会場に到着した俺達は。
「さて…ここで俺達は、究極の選択をしなければならない訳ですが…皆さん、どうします?」
「アリューシャはドラムの人にするぜ!」
「私は…やっぱりベーシュちゃんにするわ」
「俺もベーシュちゃんだな。可愛いし」
あら。ルリシヤったらムッツリ。
でも、そうしたい気持ちは分かる。
「私はサブボーカルの彼にしよう。ルレイアは?」
「俺はやっぱりメインボーカルですよ!格好良いですからね」
「サブボーカルが気に入ってるんじゃなかったの?」
確かに彼も、ちょっとルルシーに似てて素敵なのだけど。
でも、今回初めての『frontier』の握手会。一人しか選べないとなると、やはりここは、メインボーカル君だろう。
「今回はメインボーカルさんにします。彼にはこう…一度ラブコールをしたいと思ってたので」
「そうなの」
そうなんですよ。
すると、ルルシーは。
「…何となく話が読めたが、要するに握手出来るのは一人だけなんだな?」
「はい」
その一人を誰にするか、で究極の選択を強いられている訳だ。
「ルルシーは誰にするんですか?ベーシュちゃん以外なら誰でも良いですよ」
「…何で?」
「うっかりルルシーが彼女に惚れちゃったら困りますからね。さすがにベーシュちゃんを『消す』訳にはいきませんし」
「…分かったよ。お前と同じメインボーカルにするよ」
そう。それが賢明だ。
『frontier』の紅一点、ベーシュちゃんは俺のハーレムに入れたいくらい可愛いので、握手なんてしたらうっかりルルシーが彼女に惚れてしまう恐れがある。
断じて、それだけは許せない。
ってな訳で、それぞれ誰に握手してもらうかが決まったので。