The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
10月も今日で終わりという日の、午後。

俺はいつも通り、仕事に勤しんでいた。

時計を見る。…うん。

そろそろ、奴らが来る頃だ。

少し前まで、来るな仕事をしろ、と散々言ってきたが。

来なかったら来なかったで、何かあったのかと心配になるので。

もういっそ来てくれ。と、最近は思うようになった。

人間、時には諦めも大事である。

すると、案の定。

「ルルシぃぃぃっ!お菓子くれても悪戯しますよ~っ!!」

「おー…。来たか」

今日も元気だなお前は。

更に。

「ルル公!お菓子くれ~!」

「やぁルルシー先輩。トリックオアトリート」

幹部仲間の、アイズ、アリューシャ、シュノ、ルリシヤもやって来た。

あぁ…あいつらも来たのか。

今日は随分と騒がしいな。

それに…。

…ん?今、悪戯とか菓子とか言わなかった?

何のことだ、と顔を上げた瞬間、俺は、度肝を抜かれた。

「うわっ!!何だお前ら、その格好は!」

びっくりし過ぎて、心臓が縮むかと。

ルレイア、シュノ、ルリシヤの三人は良い。こいつらはいつだって、変な格好をしているから。

この三人が如何様に奇怪な格好をしていようが、今更驚く俺ではない。

しかし。

それなのに、今日はアイズとアリューシャまでおかしい。

それに、ルレイア達の格好も、今日はいつにも増して変だ。

真っ黒の装束はいつも通りだが、今日のルレイアの片手には、大振りの鎌が握られている。

シュノはシュノで、黒ワンピースに黒いトンガリ帽子を被り、更に大きな竹箒を持っている。

ルリシヤは髑髏の仮面を被り、黒衣を纏って、首からは赤い血のついた聴診器をつけていた。

いつもは普通の格好をしているアイズも、今日はルリシヤがいつも着るような黒マントを着て、豪奢な飾りのついた杖を持っている。

アリューシャなんか、頭に釘が生えてる。

な、何なんだこいつら。

元々頭おかしい奴らではあったが、とうとうイカれたか。

それとも、とうとうアイズとアリューシャまで、ルレイアのゴスルレ毒に侵されたのか。

最早、まともなのは俺だけ。
< 778 / 791 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop