The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「な、何だお前ら…。ルレイア、お前はいつから武器まで死神になった?」

お前、そんなもの持たなくても元から死神じみてるんだから、わざわざそんなもの持つなよ。

「ふっふっふー。ルレイア・死神バージョンです!素敵でしょ?」

くるりんっ、と回って、嬉しそうに鎌を見せびらかすルレイア。

うん。ぶちギレて双剣片手に敵陣に特攻してない辺り、いつもより素敵な死神だな。

「…アリューシャ。お前…頭のネジ飛び出してるぞ」

ただでさえ欠けてるネジが、更に抜けようとしてる。

「これ釘だぜルル公」

「お前らは何でそんな格好をしてるんだ?」

「コスプレだよ、コスプレ」

…コスプレ…。

…成程。そう言われれば何となく…見た目で分かるな。

ルレイアは死神…。シュノは魔女…。ルリシヤは…聴診器つけてるから、医者…黒衣だから闇医者ってところか?

アイズは…何だ?

「アイズ、それ何の仮装?」

「私は吸血鬼だよ。ヴァンパイア」

成程。言われてみればそれっぽい。

で、アリューシャは…。

「…アリューシャのそれは?何だっけ?」

なんか見たことあるような…ないような。

「えーと。あれだよルル公。ふら、ふ…フランス…。フランクフルトイタリアン?」

は?

「アリューシャ。フランケンシュタインだよ」

代わりに、アリューシャの保護者が通訳してくれた。

成程、フランケンシュタイン…。それだ。思い出した。

「おぉ!それそれ。ふらんく…すたいん!」

「ふ・ら・ん・け・ん・しゅ・た・い・ん」

「ふ・ら…ふろおけん、しったいん!」

「うーん。アリューシャにはちょっと難しかったかなー」

お遊戯でもやってんのかこいつら。

それはともかく。

「お前らな…。何でそんなコスプレしてるんだ。今日何かあるのか?」

コスプレイベント…的な?

マフィアの幹部ともあろう者が、呑気にコスプレイベントになんか参加してみろ。

アシュトーリアさんに頼んで、全員減給してもらうからな。

無理だと思うけど。

すると、

「何かあるのかって!さっき言ったでしょルルシー。トリックオアトリートですよ。ハッピーハロウィンですよ!」

「…あ…?」

卓上カレンダーを見て、俺は初めて気がついた。

…そうだ。今日は10月の最終日。

ハロウィンの日なのだ。
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