The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…悲報。

帝国騎士団長が、ミイラ男の仮装をしている。

全ルティス帝国民に申し訳なくてならない。

「か、仮装…?何故…?」

ルーシッドは、何が何だか分からず、キャパオーバーを起こしていた。

こいつも気の毒だな。毎回毎回良いように騙されてさ。

お前、怒って良いと思うぞ。

「何故と言って、今日はハロウィンじゃないか」

…はぁ、ハロウィンね。

いかにもルレイアが好きそうなイベントじゃないか。

「で、お前はまたルレイアに触発されて、自分も仮装してみようと実行した訳だな?」

「その通りだアドルファス。よく分かったな」

何回付き合わされてると思ってるんだ。

「ちなみにルレイアの今年の仮装は、死神らしい。さっき写メが送られてきたんだ、ほら」

オルタンスは、ちゃっかり待受にしているルレイアのコスプレ画像を見せてきた。

あーはいはい。仮装なら可愛いもんだよ。

マジギレすると、あいつは本物の死神と化すからな。

そう思えば、仮装を楽しんでいてくれているくらいが丁度良い。

「お菓子も送ってやったんだぞ、ルレイアに」

「馬鹿だろ、お前…」

「『お菓子くれなきゃ王宮爆破するぞ(*^^*)』ってメールが来たからな」

そりゃ仕方ないわ。

俺でも送るわ。

さすがはマフィアの幹部。悪戯の規模がおかしい。

「そういう訳だから、アドルファス、それにルーシッド。お前達にも飴をあげよう」

オルタンスは紫色のペロペロキャンディーを一本ずつ、俺とルーシッドに渡してきた。

…どうすんだ、これ。

ルーシッドなんか、飴を片手に呆然と立ち尽くしている。

…マジで、あれだな、もう。

転職を考えたくなってくるレベルに達してるな。
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