The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
フューニャの不可解な行動の謎が明かされたのは、その三十分後。

俺は先にベッドに向かい、スマホを弄っていた。

こんなことをしていると、フューニャには怒られるのだが。

寝る前にスマホの画面を見たらいけません、と。

フューニャの言うことも分かるのだけど、でもついつい触りたくなっちゃうよね。

悪い癖だな…なんて考えていると。

寝室の扉がガチャ、と開いた。

あ、フューニャお風呂上がったんだな…と顔を上げると。

「は!?」

「…」

フューニャの格好に、俺はびっくりしてスマホを落としてしまった。

布団の上で良かった。画面割れるところだった。

いや、それはともかく。

「ど、どうしたんだその格好!?」

フューニャは、胸元の開いた、丈の短い黒いワンピースに身を包み。

頭には、ちょこん、と可愛い二本の黒い角がついたカチューシャをつけていた。

フューニャ小悪魔バージョン、爆誕。

「…似合います?」

こてん、と首を傾げるフューニャ。

「いや…そりゃめちゃくちゃ可愛いけど…。どうしたんだ?その服…」

「ハロウィンの夜なので、気合いを入れてみました」

…俺に先に風呂入れと言ったのは、そのせいか。

「ルレイアさんがくれたんです。先日私があげた、『邪魔者を追い払うお札』のお礼にって。『ハロウィンの夜は勝負服ですよ!俺も頑張るのでそちらも頑張ってください!』と言って」

「…」

…なんかフューニャ。俺よりルレイアさんと仲良くなってない?

ってか「邪魔者を追い払うお札」とやらが気になるんだけど。

「そんな訳で、可愛い妻は愛する夫の為に気合いを入れて頑張ったので、ご褒美をください」

「フューニャ…」

俺は、フューニャをぎゅ~っと抱き締めた。

…可愛くて可愛くて、どうにかなってしまいそうだ。

ありがとうルレイアさん。あなたのお陰で、クランチェスカ家のハロウィンナイトは、素晴らしいものになりそうです。

そっちも頑張ってください。
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