The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルレイア

──────…その頃、ルルシーの自宅にて。

「ん~。ルルシーのかぼちゃスープは美味しいですねぇ」

「そりゃ良かったな」

「うめぇ。ルリ公のかぼちゃカレーうめぇ」

「アリューシャ先輩でも食べやすいように、甘めに味付けしたからな」

「ありがとうルリシヤ。基本アリューシャは野菜食べないんだけど、カレーだと食べるんだよ」

「ルレイア、私のかぼちゃコロッケも食べてね」

「勿論、とっても美味しいですよ。シュノさん本当に料理上手くなりましたね」

「えへへ…。じゃがいもをかぼちゃに替えただけだから、そんなに難しくないんだよ」

ハロウィンの今宵、俺達幹部組は、ルルシー宅を訪ねて夕飯を食べていた。

これももう恒例になってきたよね。

最近は、ルルシーと一緒にルリシヤもキッチンに立つことが増えたので、ルルシーの負担はかなり減ったようだ。

ルルシーも、ルリシヤの料理の腕に関しては認めているようで、こればかりは認めない訳にはいかない、と愚痴っていた。

それに、シュノさんも料理上手くなったし。

まぁ、じゃがいも料理限定なんだけど。

俺達の食生活は大変豊かになっている。素晴らしい。

「デザートにはお菓子がたくさんありますからね。チョコレートとか、ケーキもありましたよ」

「マジかっ。やったー!お菓子~♪」

お菓子に喜ぶアリューシャ。

「駄目だよアリューシャ、おやつはちゃんと、ご飯食べてからだからね?」

「うーい」

「…幼稚園児か、お前は…」

アイズにたしなめられるアリューシャを見て、ルルシーは溜め息をついていた。

これがアリューシャの良いところだと思うんだけどなぁ。

「ルルシーにもお菓子あげますからね。何ならお菓子どころじゃないものでも、ルルシーになら喜んであげますよ…?」

「断る」

酷い。

俺がこんな「サービス」をする相手は、ルルシーしかいないというのに。

「…しかし、ルレイアお前、随分菓子を用意したんだな?そんなにハロウィン楽しみだったのか」

怪訝そうな顔をして尋ねるルルシー。

さすが。気づいたか。

「これは俺が用意したんじゃありませんよ?」

「え…?じゃあハーレム会員に貢がせたのか?」

「ひどーい。俺は優しいんだから、そんなことしませんよ~」

「ハーレム会員にダイヤモンドの指輪貢がせた奴が、どの口で言ってるんだ?」

あれ?そんなことあったっけ?

あったような気もするし、なかったような気もするので。

まぁ、なかったということで。

「今回はハーレム会員じゃありませんよ」

「…じゃあ誰なんだ?」

「ほらほら、あいつですよあいつ。最近結婚して脱童貞した…ルナニアとかルトリアとかいう名前の」

「…ルアリス?」

「そうそう、それそれ」

そんな名前だったよね、確か。

「彼が送ってくれました」

「ルアリスが…?…箱庭帝国にもハロウィンってあるんだな…」

ん?いやそういうことじゃない。

多分、箱庭帝国にはハロウィンなんて文化はない。

「いえいえ、俺がですね、事前にお手紙を送ったんですよ」

「…手紙?」

「えぇ。『お菓子くれなきゃ侵略するぞ(*^^*)』って。そしたらダンボで送ってくれました」

「…」

ルルシーは、顔を押さえて天を仰いだ。

あらあら。

「お前…脅迫じゃないか…」

「別に脅してなんかないですよ?俺はほら、冗談好きな茶目っ気のある大人ですから。可愛いジョークじゃないですかあんなの」

「あいつにしてみたら、とてもジョークじゃ…。…あぁ、もう…明日にでも、ルアリスに謝罪メール送っておこう…」

もー。ルルシーったら大袈裟なんだから。

実はオルタンスにも似たようなメールを送って、お菓子をせしめたんだけど。

まぁ、これは言わないでおこう。

怒られたら嫌だからな。

これも死神ルレイアの、ちょっとしたお茶目という奴だ。




















END




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