The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
しかし。

翌日も翌々日も帰ってこなかったルヴィアさんは、更にその翌日の夜になって、ようやく帰ってきた。

「ルヴィアさん…大丈夫ですか?」

「あぁ…」

三徹のルヴィアさんは、さすがに酷く疲れた様子だった。

久々の帰宅で、積もる話もたくさんあったのだが…そんなルヴィアさんを前にしては、一方的に話す訳にはいかず。

一緒に食事をしたものの、ルヴィアさんは疲れ過ぎて食欲もあまりないようだった。

「ルヴィアさん…大丈夫ですか?」

私は思わず何度もそう尋ねた。

するとその度に、彼は、

「あぁ…大丈夫だよ、フューニャ」

と、答えはするのだが…とても元気そうには見えなかった。

「何かあったんですか?」

つい先日までは、特に残業もなく帰ってきていたのに。

ある日突然、いきなり忙しくなって、帰れなくなった。

きっと何か、一大事が起きたのだ。

裏社会のことは…表社会では報道されないから、私には分からないけど。

すると、ルヴィアさんは。

「あぁ…まぁ、ちょっとな。でも大丈夫だから」

肝心なところはぼかして、それだけしか答えてくれなかった。

「…明日からも忙しいんですか?帰ってこれますか?」

「いや…ちょっと厳しいな。明日は…六時には行かなきゃならないから、五時に起こしてくれるか」

「…分かりました」

そんなに早く家を出るなんて。折角帰ってきたのに。

恐らくルヴィアさんは、出来れば今夜も本部の方に泊まりたかったのだ。でも三日も私に顔を見せないのはいけないと思って、なんとか時間を作って帰ってきてくれたのだ。

…私は、ルヴィアさんのお荷物になっている。

そう思うと、とても申し訳なかった。

余程疲れていたのだろう、ルヴィアさんはベッドに横になるなり、一瞬で寝息を立てていた。

私はそんなルヴィアさんを起こさないように、そっと隣で眠った。

折角帰ってきたのに、あんまり構ってもらえなくて寂しいが。

我が儘を言う訳にはいかない。忙しいところ、帰ってきてくれたのだから。

せめて明日の朝は、元気が出るように手の込んだ朝御飯を作ってあげよう。
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