The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルヴィア

───────…フューニャには、ただ「忙しいから」としか言わなかったが。

その頃、『青薔薇連合会』は…連日、箱庭帝国の革命軍、『青薔薇解放戦線』の件で大忙しだった。

特に、準幹部以上の人間は。

『青薔薇連合会』は、革命軍に協力しないことに決めた。

しかし、だからと言って完全に放置出来る訳ではない。

むしろ、協力しないからこそ忙しかったのだ。

今はまだ公に明らかになっていないが、『青薔薇解放戦線』のことが世間に知られれば、大騒ぎになることは分かっている。

表社会も、裏社会もだ。

表社会のことは帝国騎士団に丸投げすれば良いが、裏社会については俺達『青薔薇連合会』が統治している。

帝国騎士団は『青薔薇解放戦線』を支援している。ルレイアさんはそう確信しているし、アイズレンシアさんが諜報部を駆使して得た情報によると、帝国騎士団は本格的に革命軍の後ろ楯になっているとのこと。

革命軍がルティス帝国をバックに、箱庭帝国の政府と戦うつもりなら。

当然、ルティス帝国も無関係ではいられない。

従って、ルティス帝国の裏社会を牛耳る俺達も…無関係ではないのだ。

そのせいで俺達は今、その対応にてんてこ舞いだった。

俺は、『青薔薇解放戦線』のことについては…フューニャには一言も言わなかった。

箱庭帝国は彼女の祖国。彼女にとっては…思い出したくない過去だろう。

捨ててきた過去について、今更掘り返すようなことはしたくない。

余計な心配はかけたくない。

だから、フューニャには黙っていた。

家に帰れないのは申し訳ないが…フューニャに何も知らせず、事を収めてしまいたかった。

その為に、俺は身を粉にして、率先して働いた。

しかし。







そんな俺を嘲笑うように、アイズさんから新たなニュースが入ってきた。





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