The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

sideルレイア

────────…アイズからその連絡を聞いたとき、俺は、そう来たか、と思った。





「…大人しく自分の国に引っ込んでるつもりはないってことですか」

「まぁ、妥当な判断だね…。これ以上あの国に留まっていたら、憲兵局に見つかるのは時間の問題だよ」

…既に見つかってる可能性もあるもんな。

緊急に伝えたいことがあるから集まってくれと、アイズレンシアから連絡を受け。

集まってみるとこの話だ。

どうにもあの革命軍、徒党を組んで武装し、尻尾巻いて自分の国から逃げたそうな。

もとよりそのつもりだったのだろう。奴らは自分の国で革命を起こすのではなく、ルティス帝国に拠点を構え、しかるべき時に祖国に凱旋し、憲兵局を一網打尽にする…と。

アイズの言う通り、妥当な判断ではある。

箱庭帝国の革命軍が、箱庭帝国で態勢を整えようとしたって…あの国は憲兵局のお膝元なんだからな。遠からずばれるに決まってる。

だからってよその国で革命の準備を整えるとは。それって、革命の意味があるのか?

巻き込まれるルティス帝国民にとっては、良い迷惑だな。

どうにもあの国の組織は、俺達に迷惑をかけずにはいられないようだ。

「勝手に人の国を根城にするのは良いですけど。よくオルタンスがそれを許しましたね?」

だってそれ、不法入国じゃないか。

しかもただの脱国者ではない。軍団規模で、おまけに武装している。

非常にタチの悪い脱国者だ。

パスポートも持たない、国境検問所も通っていない不法入国者を…よくオルタンスが受け入れる気になったことだ。

それとも、この件でオルタンスは関与していないのか。

いかにも、あの甘っちょろい坊やのやりそうなことだ。

俺の後輩に当たる…あの鬱陶しい正義厨の坊や。
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