レンアイゴッコ(仮)

Kiss or Dead

𓂃𓈒 ❅ *



「…………!?」


目を開けると視界はキラキラのエフェクトとお星様が仲良くダンスをしていた。

すぐそばに東雲の寝顔がある。なんて爽やかな朝。なんて素敵な目覚め。

東雲の寝顔は超レアだ。記憶をたどっても、初めて見るかもしれない。

「(寝顔も綺麗って、どんなバグ……)」

下ろされたまぶた。静かな吐息。透明感のある肌。少し波打った緩やかなパーマ。すらりと伸びた首筋がエロい。

朝から目の保養だ。そんな未知との遭遇を噛み締め、我に返る。

起きたら、ベッドの上。隣には東雲琥珀。一応彼氏。

ありそうでありえない現実。非現実。…………現実??


「(……服!!!)」


遅れて、胸、おしりに触れて確認して安心。下着はブラウスとタイトスカートにしっかりと守られている。どうやら、意識が無いうちにアレコレを経験した、ということはなさそう。

──……て、これは安心することなの?

隣に寝て何も無いって……魅力がない、或いは眼中にない、その二つしか選択肢に無いのだ。

溜息を飲み込んで、東雲の唇を人差し指で撫ぜた。

昨日、僅か数ミリの距離にまで近付いた東雲の唇。なのに、もう永遠に届かない気がする。
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