レンアイゴッコ(仮)
𖦊̌


最初は容易だった。

“そばに居たい”

長年燻らせてきた片想いの弊害。なんでもいい。傍にいれるならバカにだってなる。

“嫌われたくない”

慢性化した恋煩いは“普通”を困難にさせた。

──なのに。

一度触れると、もう、止められなかった。感覚が無くなるまでキスをして、唇が痺れても、止まらなかった。

玄関先で馬鹿みたいにがっついた。彼女の唇に触れる度に幸福で、同じくらい、泣きたくなった。このまま死ねるなら本望だ。

いつか

いつか、彼女に好きな人が出来たら

この手を、手放す?

そんなの、不可能だ。

7話 Kiss or Dead 終
< 173 / 251 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop