レンアイゴッコ(仮)
「ていうか、告白の方法なんてどうしたのよ。あんた彼氏いるんじゃないの?」

坂下先輩がずばっと切り込む。

「し……市場調査です……!」

そう。東雲とは付き合っているのに、いまさら告白なんてとんだ茶番だ。

ヒヤリとしながら坂下先輩とのおしゃべりが終わらせ、憂鬱な気持ちでパソコンを打った。

【彼氏 告白 方法】

勝手に手は疑問を並べる。と、気が利くパソコンは、【もしかして:告白 方法】なんて、いちばん重要な場所を飛ばそうとする。

「はあ……」

「告白?」

「!!」

背後に苑田さんが居ることに気付かなくて、驚いて振り向いた。

「おはようございます!妃立さん、指、大丈夫でしたか?」

「大丈夫です。苑田さんが氷を貰ってきてくれたからです」

「良かったです〜……今日も頑張りましょうね」

「はい。頑張りましょうね」

結局、その日東雲は出勤しなくて。

「部長、東雲、何かあったんですか?」

「ああ、東雲は直接クライアントに打ち合わせ」

そう説明されると、そうなんだなって思うことしかできなかった。
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