レンアイゴッコ(仮)

「妃立、時化た顔してどうしたのよ〜。なにかトラブル?」

昼休み、いつも以上に気を揉んでいたからか、余計に疲れた。そんな私を察してか、坂下先輩がカフェオレを差し入れてくれた。今日も今日とてゆっくり出来そうになく、休憩は15分取れればいい方。

しかし私の悩みは、東雲に関すること。みんな頑張ってる中、子供みたいな理由を悟られたい?

「なんでもないでーす」

答えはNO!絶対NO!!

『妃立さん、公私混同じゃない?』
『浮ついてるよね〜』
『仕事任せていいの?』

こんな噂が立ったら、私を見出してくれた部長たちに申し訳ない。

「じゃあ、彼氏、マンション買ってくれなかった?」

回避も虚しく、坂下先輩は新たな爆弾を投下するのだから、カフェオレを吹き出しそうになった。

「な、何の話ですか!?」

「あんた昔、彼氏はマンションくらい持ってないと結婚したくないって言わなかった?」

「その言い方には語弊があります!!」

うわあ、こないだ私が坂下先輩の古傷を抉った仕返しか。

しかもあれは、私の記憶に間違いがないならば、昔二人で飲んだ時に坂下先輩の愚痴から始まり「結婚するなら持ち家とマンションどっちがいい?」から派生した話しで、どちらかと言えばマンションがいいと、希望を答えたまでの話である。
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