レンアイゴッコ(仮)
「だって、妃立と東雲、そういうことでしょうまーく隠してるみたいだけど、バレバレだからね?」

ビシっと指をさされてしまい「ば……ばればれ?」と口をあんぐりと開ければ「バレバレっす!」と、鈴木はほら見ろ、と言わんばかりに、さぞ自慢げに頷く。

「妃立は東雲が残業しても待たないけど、東雲は妃立が残業してると絶対待ってるし」

「え……え、そんな基準だったの……?」

「妃立さんが休憩室にいる時の、東雲さんの休憩室利用100パーセントですよね!」

「……!?」

「昔の東雲だったら妃立が彼氏できたって報告する度に殺人鬼ですか?ってオーラ振り撒いて後日灰になってたのに今回全然死んでないし、どちらかと言えばフワフワしてるし」

「殺人鬼?灰……?何の話ですか?」

はくはくと口を動かしていると、坂下先輩はやわらかく微笑んだ。

「後輩の恋が実ったみたいで、嬉しいのよこれでも。喧嘩したらいつでも言いなさいよ〜。基本、妃立の味方だから」

「先輩〜……!」

そして軽くハグをする。人目?そんなの関係ない。

坂下先輩が私の教育係で良かった。善悪の分別とダメな場所はきちんと叱ってくれる人だからだ。
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