レンアイゴッコ(仮)
𖦊̌


「はー……よかったー……」

バスが見えなくなって膝から脱力した。朝からずっと気を張っていた。やっぱ無し、と言われたらどう切り返してやろうかと考えていたからだ。

この関係にやっと名前が付いた。それは危険な綱渡り。

「……心臓持たねえわ」

気を抜くと顔が緩む自信はあった。今更顔が熱い。彼女の手の温もりを残した左手で顔を隠した。

いまさら、手が震えていた。

この先、気持ちを隠し通せる自信なんて、残念ながらほとんど無い。

けれども、やめようとも思わなかった彼氏一日目、何とか、無事終了。

1話 Secret・Meeting 終
< 36 / 251 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop