レンアイゴッコ(仮)
まさか、隣で寝ろ、とは言わないよね……?

今まで私が知る東雲であればそんな発言しないだろうけれど、残念ながらこの三日間で知らない東雲を発見しすぎている。

「(距離感、)」

見えないそれは一歩間違えると致命傷になると知っている。

言葉に出すと感情は形を変えると知っている。

なんと言えばいいのか全く分からず困り果てると、東雲はフッと力を抜いた。本当に、フッと。

「冗談だよ。おやすみ」

電気、よろしく。と、プラスした東雲の顔は見えなかった。私に背を向けて寝転ぶと、布団を被ったからだ。

電気を消すと、やっと肩から力が抜けた。今日は緊張しすぎて、明日は感情が筋肉痛になっていないか心配になるほどだ。

「(……安心?)」

ソファーに乗りあげようとしてピタリと動きを止めた。

安心するのはよくない。どう考えても。

東雲は私を、成り行きで付き合うことになった、こんな関係にさせてしまった私と、丁寧に付き合おうとしてくれているのに。

──……緊張はしても、あの態度は良くない。
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