レンアイゴッコ(仮)
「でも、また彼氏探すの、めんどうだなあ……」
喋りづらそうに頬をテーブルに乗せた状態で呟く。
「面倒って、なにが」
東雲は相変わらず私に興味が無いくせに、無駄にいい声で訊ねる。
「腹の探り合いっていうの!?あの時期がめんどう。私のプロフカードあげるから、それで私の性格、趣味、恋愛遍歴全部察してって思う」
「プロフカードて。マッチングかよ」
「マッチング!そうだ、その手があったんだ!」
「やめとけ。どうせ変な男にひっかかって、泣き付かれる羽目になる俺の気持ちを考えろ」
「あ……どんまい……」
そうは言っても、東雲は私を突き放さない。毎回仕方なしに、気の済むまで吐き出させてくれる。だから甘える。幾ら冷たい態度を取られても、結局、東雲に縋ってしまう。
それから、二人きりで会う、ということは、東雲に彼女がいないことを示唆していた。