レンアイゴッコ(仮)
意味を受け取れずに首を傾げる。目を合わせたら思考が読み取れる、そんな世界線があればいいのに、二次元と三次元、たった一つの溝は未来永劫埋まることは無い。

すると「妃立さん、聞いてますか!」なんて、鈴木からお叱りを受ける結末が待っていた。

「はいはい、聞いてるからそろそろお酒やめよ」

「嫌です、今日は吐くまで飲みます」

「やめなさい。誰が介助すると思ってんの?あとでアルハラとか言われても困るから……」

言葉の途中、違和感を覚えた。鈴木の様子がおかしい。

「でも俺……妃立さんには本当に感謝してるんですよ……」

え……今度は泣き始めた……?

本当に彼女と上手くいっていないのか、鈴木の情緒に不安を覚える。

「大丈夫だって、自信持ちなよ」

「俺も東雲さんみたいに顔がよければ、自信もあったんですよ〜~!」

何故に東雲……?

ちらりと見遣ると、いつの間に囲まれたのだろう、東雲の周りには女の子が沢山居た。

「(え……?いつの間に……!?)」

東雲は全く笑っていないけれど、普通に喋っているし、一緒にお酒を飲んでいる周りの子達も可愛いし……。

なあんか、やだな。
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