レンアイゴッコ(仮)
「大丈夫です、俺、合コンセッティングしますよ!」

「いや、あの、大丈夫……!」

「妃立さんと歳が近い人でフリーの人結構いるんですよ。任せてください!」

鈴木、もう黙ってくれたのむ……!!

熱心なのは有難いけれども、どうか、どうかそのやる気は仕事中に見せて欲しい。

後輩の熱意に気圧されること三秒。


「あれ、でも妃立、お前新しい彼氏ができたって言ってなかった?」


さらなる爆弾を隣に抱えていることに気付く。

「早!秒殺じゃん」

坂下先輩が驚く。背中にたらりと冷や汗が流れるのを感じた。顔色ひとつ変えずに東雲は続ける。


「自分史上一番好きだって惚気けてたでしょ」


吹聴やめなさい、馬鹿。

ついつい心の中のお口が悪くなってしまうのも仕方がない。


「だったら早く言ってくださいよ〜、合コン、必要ないですね」

「妃立狙いの同期にも、諦めるように伝えて」

「そっすね、あいつらに妃立さんは高嶺の花子でした」


しかし、東雲の牽制の甲斐もあって、鈴木は合コンを諦めてくれた。
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