コイワズライ
『にゃんこ同盟』…天然男子×猫好き女子

1

「や~ん!ちょーかわいい!」


「ねぇ~なごむね」


「癒されますね~」


只今、軽音楽部の部室にて仔猫動画鑑賞中。(じゅん)(なお)と私は無類のネコ好きでよくこうして動画をみたりノラ猫を観察したりしている。暇だからではありません。これもちゃんとした部活動の一環なのです。その名もにゃんこ同盟!(非公式)まぁ同好会みたいなものです。


なぜ軽音楽部の部室にいるのかというと、(なお)が軽音楽部に所属しているから。にゃんこ同盟は同好会なので部室も顧問の先生もいない
。だから軽音楽部の部室の一画を借りて活動しているのです(無許可)。軽音楽部は優斗(ゆうと)(なお)以外の部員は幽霊部員なので都合がいいのです。


ガチャ


噂をすれば優斗(ゆうと)がギターを背負って部室に入ってきた。


「え、また見てんの?」


優斗(ゆうと)も一緒にみようよ!」


「めっちゃかわいいよ~」


「だめだめ。この人、ギターが恋人だから。それ以外興味ないから。」


「ふふん!彼女できたし!」


「「「マジで!?!?!?」」」


「どんな子!?かわいい!?」


「告白されたの!?」


「それ、ちゃんと人間?」


優斗(ゆうと)の彼女に興味津々の私たちは矢継ぎ早に質問を浴びせる。


「おうおう、まあ待て。順番ね~順番」


ニヤニヤしながら丸椅子に座る優斗(ゆうと)。調子乗り優斗(ゆうと)発動中。


「ゴホンッ!まず、美咲(みさき)先輩の質問から。彼女はめっっちゃくちゃかわいくて照れ屋でおとなしめな子です」


「にやけ過ぎだし」


「次に、(じゅん)先輩の質問。俺から告白しましたー」


「ドヤ顔過ぎだし」


「最後、(なお)の質問。人間に決まってんだろ!」


「なんだ、つまんない」


「そっかぁ~彼女か…いいなぁ」


優斗(ゆうと)を茶化す(なお)優斗(ゆうと)をうらやましそうに見る(じゅん)


(やっぱり(じゅん)も彼女ほしいって思ってるんだ)


(じゅん)はどんな子がタイプ?」


「ん~イヌっぽくて」


(犬か)


「でも、ちょっとネコっぽくて」


(どっちだよ!)


「かわいい子がいいな」


「へ~ふーん、そうなんだ…かわいい子か」


美咲(みさき)先輩ダメージくらって自滅してる~」


(なお)~予想外のジャブが2発きたと思ったら最後のアッパーでKOされちゃったよぅ…もう立てないよぅ」


「ドンマイ。まだ2ラウンド残ってるからがんばってきなよ~」


「あれ?いつの間にボクシングの話になったの?」


(じゅん)のタイプ、かわいい子だって。予想通りだけど…


「聞かなきゃよかった」

< 15 / 64 >

この作品をシェア

pagetop