コイワズライ
3
「っ!痛いよ直!もっと優しくしてよ!」
「ガマンしてよ。手当てしてもらえるだけありがたいと思ってよね」
「うぅ、やっぱり直はドSだ…」
バタバタと廊下を走る音がこっちに近付いてくる。そして、ガラッと勢いよく保健室の扉が開いた。肩で息をしながら純が保健室に入ってきた。
「純先輩…」
「あ、純!聞いてよ!直ってばーー」
突然、純の腕に包まれて、私は言葉を失った。
「…………純?」
「…美咲が事故に遭ったって聞いて…びっくりして…」
直が私にひらひらと手を振り、音もなく保健室から出て行った。
「…事故って大げさだなぁ~ただのかすり傷だよ?」
「…本当に?」
心配そうに私の顔を覗き込む純。大きな瞳が揺れている。
「うん。たいしたことないよ」
「よかったぁ~」
安堵の息を吐いて、抱きしめたまま私の髪を撫でる純。
(えーっと、めちゃくちゃ嬉しいんですけど、このままだと爆発して死ぬかもしれない)
「……純?そろそろ離れた方が…」
「あ、ごめん!痛かったよね」
(うん、主に心臓が)
腕が離れていって少し寂しいとか自分勝手なことを考えていると、私の傷ーー直が貼ってくれたガーゼをじっとみる純。
「どうしてこんなことになったの?」
「あー、ジュンがね…あっトラ猫ちゃんの方ね。ジュンが道路に飛び出して行っちゃったから助けようとしてこけちゃって…」
チラと純の様子をうかがうと、ムスッとして黙ったままだ。
(うわぁ怒ってるよね…)
「私が悪いの。私が焦って走って行ったからジュンをびっくりさせちゃって、それで…」
「美咲」
「はい」
低く抑揚のない声で名前を呼ばれてドキッとした。純のこんな声を聞くのは初めてだ。
「約束して。もう絶対に無茶なことはしないって」
そう言って右の小指を差し出す純。真剣な面持ちでまっすぐに私をみる。大きな目に吸い込まれそうだ。
「…はい。約束します」
純の小指に私の小指を絡めて指切りげんまんをした。
「ゆびきりげんまん、嘘ついたら…どうしよっか?嘘ついたら……俺と結婚しても~らう!ゆびきった!」
……………え?
「ガマンしてよ。手当てしてもらえるだけありがたいと思ってよね」
「うぅ、やっぱり直はドSだ…」
バタバタと廊下を走る音がこっちに近付いてくる。そして、ガラッと勢いよく保健室の扉が開いた。肩で息をしながら純が保健室に入ってきた。
「純先輩…」
「あ、純!聞いてよ!直ってばーー」
突然、純の腕に包まれて、私は言葉を失った。
「…………純?」
「…美咲が事故に遭ったって聞いて…びっくりして…」
直が私にひらひらと手を振り、音もなく保健室から出て行った。
「…事故って大げさだなぁ~ただのかすり傷だよ?」
「…本当に?」
心配そうに私の顔を覗き込む純。大きな瞳が揺れている。
「うん。たいしたことないよ」
「よかったぁ~」
安堵の息を吐いて、抱きしめたまま私の髪を撫でる純。
(えーっと、めちゃくちゃ嬉しいんですけど、このままだと爆発して死ぬかもしれない)
「……純?そろそろ離れた方が…」
「あ、ごめん!痛かったよね」
(うん、主に心臓が)
腕が離れていって少し寂しいとか自分勝手なことを考えていると、私の傷ーー直が貼ってくれたガーゼをじっとみる純。
「どうしてこんなことになったの?」
「あー、ジュンがね…あっトラ猫ちゃんの方ね。ジュンが道路に飛び出して行っちゃったから助けようとしてこけちゃって…」
チラと純の様子をうかがうと、ムスッとして黙ったままだ。
(うわぁ怒ってるよね…)
「私が悪いの。私が焦って走って行ったからジュンをびっくりさせちゃって、それで…」
「美咲」
「はい」
低く抑揚のない声で名前を呼ばれてドキッとした。純のこんな声を聞くのは初めてだ。
「約束して。もう絶対に無茶なことはしないって」
そう言って右の小指を差し出す純。真剣な面持ちでまっすぐに私をみる。大きな目に吸い込まれそうだ。
「…はい。約束します」
純の小指に私の小指を絡めて指切りげんまんをした。
「ゆびきりげんまん、嘘ついたら…どうしよっか?嘘ついたら……俺と結婚しても~らう!ゆびきった!」
……………え?