コイワズライ
『雨のち晴れ!』…元いじめられっこ×せっかちサバサバ女子

1

(みなと)ー!おっはよー!」


いつものように(みなと)の部屋に入り、いつものようにカーテンを開ける。真っ暗だった部屋に朝陽が差し込み、いつものように(みなと)は眩しそうに目を瞑り、布団の中にもぐってしまう。


「コラ!起きろー!」


(みなと)が入った丸まった布団にジャンプして上に乗っかった。


「ぐへっ」


布団の中から情けない悲鳴が聞こえて、布団をめくると、痛そうに顔を歪ませている。


「ほら、起きて!学校行くよー!」


「あぁ…うん。すぐ行くから玄関で待ってて」


起き上がった(みなと)は、アクビをしながらぽりぽりとお腹を掻いている。


「早くしてよね。私まで遅刻しちゃうよ」


ウンウンと頷いた(みなと)を確認して、私は部屋を出た。


***


眠そうに目をこすりながらぼんやりと猫背で私の隣を歩く(みなと)


「もー、シャキッとしなさいよ!」


(みなと)の猫背をカバンで叩いた。


「っ!!お前、そういうのマジでやめろ…俺だからいいけど。他の人だったら骨折するから」


痛そうに背中をさすっている。


「は?アンタ昔、いじめられてたくせに。こんだけ体が丈夫になったのは私が鍛えてあげたからだよ?感謝してよね!」


(みなと)の頭に手刀を振り下ろすとガシッと手首を掴まれてしまった。


「ふっ、何年幼なじみやってると思ってんの?お前の攻撃パターンなんてお見通しーー」


ドヤ顔にイラッとして(みなと)のお尻に蹴りを入れた。


「いっ!?!?」


痛がってお尻を押さえる(みなと)


「バーカ、バーカ!」


キーンコーンカーンコーン


「「げっ!やばい!!」」


2人で校門に向かって全速力で走った。


(みなと)がとろとろしてるから~」
「あずさがちょっかい出してくるから」


「「遅刻したらお前(アンタ)のせいだ!」」


言い合いをしながら走っていたら、いつの間にか校門をくぐっていた。


「お前らうるさい」


「いたっ!」「っつ!」


校門に立っていた山田(やまだ)先生に頭を叩かれて、結局2人とも遅刻。最悪だ…
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